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「納む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

納むの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外科室」より 著者:泉鏡花
においても、地位においても、高峰は室あらざるべからざる身なるにもかかわらず、家を納むる夫人なく、しかも渠は学生たりし時代より品行いっそう謹厳にてありしなり。予は....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
老人を敬うべし 一 朝は早く起き家業に就き夜は早く寝につくべし 一 諸上納は早く納むべし 一 金銭取引の勘定は時々致すべし 一 他人と寄合の時或は時間の定ある時....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
与を強いしことなし。喜捨する者あれば鷹揚に請取ること、あたかも上人が檀越の布施を納むるが如き勿体振りなり。 人もしその倨傲なるを憎みて、些の米銭を与えざらむか....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
動かせないことだし、更にその以前に遡《さかのぼ》って見ると、延喜式の中に典薬寮に納むる貢進種目として「近江七十三種、美濃六十二種」とある薬草は、そのいずれの方面....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
取りかたづけの物音に目が醒《さ》めないというはずはないから、そうして長持も当然、納むべきものを納め、蓋をすべきは蓋をする運命とならなければならない瞬間に、この先....
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
来るを喜んで診療するを勤め、尚好む処の謡と鼓とを以て楽とせり。二月、亡妻の白骨を納むるの装飾ある外囲の箱を片山氏は作る。出来上るを以て、餅をつき霊前に供し、一同....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
勢には気がつかなかったのにも不思議はない。近江の守護佐々木六角高頼が、本所領家に納むべき年貢を横領するのはけしからぬというので、義尚は公家や社寺の利益保護のため....
北京・青島・村落」より 著者:豊島与志雄
の中に、旧紫金城の殿堂が聳えている。その黄瓦朱壁の宏壮な堂宇は、北京全市を翼下に納むるの概があり、周囲に広い公園地帯をめぐらしている。外城もまた広大な植林地のな....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
ただ私は問屋が日頃の引立てに対する感謝の意としてきわめて素直に受け、主人が独りで納むべきものではないから、贈物全部を皆に分配して至極いい気持になっていたのでした....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
日眼にしておりながら、われわれはあえてこれがために新しき人生観も得ない。 忠告を納むるべき肥沃《ひよく》な畑 かの英国の誇りとするシャフツベリー卿《きょう》は....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
れは実にチベット農民にとっては大いなる負担です。なぜならばただこの修験者に霰税を納むるのみならず、政府にはやはり当り前の租税を納めなくてはならないのですから、実....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
す。午後、汽船に逢う。米国商船なり。晩食にはクリスマス・ディナーあり。食後、涼を納むる。 熱帯風無。 (熱帯の風には熱はなく、太平洋とはいえ平らかではない。船い....
本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
とて、銭四文を四方へ投げて定むるなり。これ地神を汚さぬ為めなりと云う。遺骸を棺に納むるとき身近き者死人に向い、『普請をするぞよ、相普請《あいぶしん》ではないぞよ....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
により、俳優は税金として上等五円、中等二円五十銭、下等一円、劇場附の茶屋は一円を納むることとなる。いずれも月税なり。 ○六月十四日、二代目尾上菊次郎大阪に死す、....