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純
「純〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
純の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
、その後の創作的動機に、反動的なものが加わるという意味である。そうしてそういう不
純な動機から出発する結果、しばしば畸形な芸術を創造する惧《おそ》れがあるという意....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
話を私に持ち出したのは、小夜《さよ》の親許《おやもと》になっていた校長で、これが
純粋に私のためを計った結果だと申す事は私にもよく呑み込めました。また実際その頃は....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
、また一つには彼の性情が、どちらかと云うと唯物的な当時の風潮とは正反対に、人一倍
純粋な理想的傾向を帯びていたので、自然と孤独に甘んじるような境涯に置かれてしまっ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
たにせよ、僕には全然新しい世界を、――広い世界をのぞかせました。ゲエルは、いつも
純金の匙《さじ》に珈琲《カッフェ》の茶碗《ちゃわん》をかきまわしながら、快活にい....
「彼」より 著者:芥川竜之介
めるものはまだ全然ない訣《わけ》ではなかった。それは叔父さんの娘に対する、極めて
純粋な恋愛だった。彼は彼の恋愛を僕にも一度も話したことはなかった。が、ある日の午....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
さん》を一口《ひとくち》飲み、もう一度ふだんの彼自身に返った。
「僕はそんなに単
純じゃない。詩人、画家、批評家、新聞記者、……まだある。息子《むすこ》、兄、独身....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
は愛していると思っていた。が、これも今になって考えると、その時の己の心もちには不
純なものも少くはない。己は袈裟に何を求めたのか、童貞だった頃の己は、明らかに袈裟....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
そうべえ》、寺川左馬助《てらかわさまのすけ》の二人だった。
家康は本多佐渡守正
純《ほんださどのかみまさずみ》に命じ、直之の首を実検しようとした。正
純は次ぎの間....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
自由な、なつかしさに、とかしてくれる。大川の水があって、はじめて自分はふたたび、
純なる本来の感情に生きることができるのである。
自分は幾度となく、青い水に臨ん....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
めらい勝ちに切り出した。
「うん、渡してくれたかい。」
彼の眼は子供のように、
純粋な感情を湛《たた》えていた、若者は彼と眼を合わすと、慌《あわ》ててその視線を....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
れば飯の上に火の燃えるたぐいである。しかし人生の与える苦しみは不幸にもそれほど単
純ではない。目前の飯を食おうとすれば、火の燃えることもあると同時に、又存外楽楽と....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
も偉大であるが、ゴオルスウアアズイよりも芸術家ではないと云う。云う心の大部分は、
純粋な芸術的感銘以外に作者の人生観なり、世界観なり兎に角或思想を吐露するのに、急....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
豪傑穂垂周吉にあらずして、唖然たる癡呆の一書生なり。馬車の動揺に精神を撹乱し、単
純なる空気を呼吸したる肺臓は砂煙りに混じたる汚濁|臭穢の空気を吸い込み、馬車人力....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
to)に行って、図書館、庭園、博物館を見物した。ここにはガリレオの作った望遠鏡は
純粋の炭素より成ることを確めた。 四月初めにはローマに向い、そこからファラデー....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
を深く固く信じていたのである。 じじつ、彼には小利口で抜け目のないところと、単
純にものを信じやすいところとが妙にまじりあっていた。不可思議なことを好む食欲も、....