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純化
「純化〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
純化の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
どおりに都合よく行きそうにみえた。一度分解した項式が結合をしなおして、だんだん単
純化されていくところからみると、ついには単一の結論的項式に落ちつきそうにみえた。....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
して静観を教える宗教的人生観が背景をなして、「いき」のうちのこの契機を強調しかつ
純化していることは疑いない。
以上を概括すれば、「いき」の構造は「媚態」と「意....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
階級の政治 マルクスの豫言によれば、所謂資本主義時代になると社會の階級構成が單
純化されて、はつきりブルジヨアとプロレタリアの二大陣營に分裂し、プロレタリアは遂....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
っぽいぎすぎすしたところは毛頭ありません。彼の聡明な物象の把握力、日本人特異の単
純化と図案化。それに何という愛憐の深い美の象徴の仕方でしょう。私はいつも彼の画を....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
笨であったために、今日の唯物論を導いたのであるが、西田氏はこの語の意義を極度まで
純化することによって、かえって唯物論を裏切り、深遠な形而上学を建設したのである。....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
である。非常な省略と単化が行われ出した事だといってよい。 技法と組織の省略と単
純化は近代絵画のもつ重要な特質だと言っていいであろう。 単純と省略は野性へ帰ろ....
「外来語所感」より 著者:九鬼周造
で国民指導の位置にある学者と文士と新聞雑誌記者とが民族意識に深く目覚めて、国語の
純化に努力し、外来語の排撃に奮闘し、社会の趣味を高きへ導くことを心掛けなければならない。....
「嫉みの話」より 著者:折口信夫
。これは武士階級特有のものでなく、逆に下からあがってきたのだとも思われる。武士が
純化せぬうちに、下からはいって体面を保ったものであったのだろう。つまり、敵討ちの....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
つ人間的な「魅力ある声」の標準に従い、個々のヴァライァティーに富んだ現代人の声の
純化、強化を心掛ける時代ではないでしょうか? 声の問題はひとまずこれくらいにし....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
大性に漂うて行くものでなければならず、不安と混乱と複雑の渦中にある人間を無理に単
純化するための既成のモラルやヒューマニズムの額縁は、かえって人間|冒涜であり、こ....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
に、情熱の古代的|迸出を望むことは出来ない。我々の内生活を咄嗟に整理統一して、単
純化してくれる感激を待ち望むことが出来ないとすれば、もっと深い反省、静かな観照か....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
せる恋というものを描かずにはいられません。もし私たちの魂が祝福されたる高き神来の
純化に達するならば、肉体の交わりなくとも、性の要求の飽和に達することができるので....
「単純化は唯一の武器だ」より 著者:小川未明
ガンヂイーのカッダール主義は、単なる生活の単
純化でないであろう。それには、多分に政治的の意味が含まれているからだ。しかし、そ....
「常に自然は語る」より 著者:小川未明
由を求めてやまないのだ。一切の虚偽を破壊するものは、常に、心の底に流れる、この単
純化のロマンチシズムであることを忘れてはならない。....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
なぞが、毛唐にわかってたまるものか。童謡だってほんとうは境涯のものだよ。極めて単
純化された。むしろ禅でなければなるまいと思うね。実相はあくまで深く観ての上のこと....