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純正
「純正〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
純正の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「去年」より 著者:伊藤左千夫
の生活は内面的にも外面的にも、矛盾と矛盾で持ち切っているのだ。趣味の上からは高潔
純正をよろこび、高い理想の文芸を味おうてる身で、生活上からは凡人も卑しとする陋劣....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
秘釈義法からは、四百二十の暗号がつくれると云うけれども、それ以外のものはいわゆる
純正呪術であって、荒唐無稽もきわまった代物ばかりなんだ。だから支倉君、僕等が真実....
「画学校時代」より 著者:上村松園
改革がありました。 絵画のほかに陶器の図案とか工芸美術の部が加わりましたので、
純正美術派の先生たちは、 「からつ屋や細工屋の職人を、我が校で養成する必要はない....
「金属人間」より 著者:海野十三
う》だ。 「二十世紀の茶釜は、昔の文福茶釜のようなタヌキのばけた動物とはちがい、
純正《じゅんせい》なる『鉱物』でござりまする。その証拠には、お見物のみなさんがた....
「大脳手術」より 著者:海野十三
らしい方に属するばかりか、あなたの脛骨と腓骨の形が非常に美しい。脛骨の正面なんか
純正双曲線をなしている”とね。そして、もしこれを売る意志があるのだったら、九十九....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
よると両者とも正しく、ただそれぞれ別箇の適用性を有するのかも知れぬ。すべてはただ
純正推理の規準に拠りて、取捨選択を加えればよい。道理が許せば之を採り、道理が許さ....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
利な商売であって、卸しの割合は二割から二割五分増しを通例とするが、これがすなわち
純正の利益とはならぬ。この内から袋代を払い、ガラスの器物の破損をも償い、また菓子....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
心というよりも天心だ。大人の教えを受けない前、アプリオリの感別力である。美と醜、
純正と邪悪、高貴と卑怯とをそのままに感じて、これに牽かれ、或いは反撥する触角であ....
「桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
い。 ともかくも女流俳人が全国的にひたすら堅実な歩みを続けてゆく努力は、やがて
純正な女流俳句の金字塔を築きあげる永遠の礎ともなり、女流俳句の位置を高め、必らず....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
うとひどく強そうに聞えるが、その独り歩きは案外むずかしいらしいことがわかる。もし
純正リアリズムというものが存在するとすれば、それは怖ろしく非人間的な条件――つま....
「チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
。何も人はパンのみで生きると考えていたわけではない。医者といっても彼の信じたのは
純正医学の立場であって、医療の方面は寧ろ軽蔑していた。彼がトルストイの『クロイツ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
るべからず。また、宗教上に関し、あるいは形而上の問題に関するものは、宗教学および
純正哲学の説明をからざるべからず。その他、社会学、人類学等の説明を要するものある....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
た。ちょうど一年余り居りましたがその間に同師から聞いたところの話は「小乗教は即ち
純正の仏教である。日本では小乗といって居るけれどもその実、小乗という名は大乗教者....
「古陶磁の価値」より 著者:北大路魯山人
と、この頃は工芸美術とかいうような言葉が盛んに流布されておりますが、また一面には
純正美術という言葉もありますが、
純正美術と工芸美術とどう一体違うかといいますと、....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
明のこころみた『方丈記』の散文体は、明澄の理智を写すに適したはずであった。何故に
純正詩歌の上では、新詩型の誕生がなされないで、短歌の上に独特の一繊巧体を創造した....