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純毛
「純毛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
純毛の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「服装に就いて」より 著者:太宰治
どもね。」 「もったいない。」家内は一枚一枚きたながらずに調べて、「これなどは、
純毛ですよ。仕立直しましょう。」 見ると、それは、あのセルである。私は戸外に飛....
「今朝の雪」より 著者:宮本百合子
けないのねえ」 峯子は、全く意外そうにのろのろと椅子から立ち上った。紀子は黒い
純毛の厚地外套の前をいくらか引上げるような身ごなしで立ったまま、室の様子を机から....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
ろうが、わが烏啼――いや、かの烏啼めに至っては、下に藁蒲団を敷き、被害者の身体は
純毛五枚で包んだ上で、ここへ捨てていった。烏啼ならでは、こんなことはしない。第六....
「沈没男」より 著者:海野十三
ル・オーク号乗艦第一報をこれにて終る。 (×月×日、スカパフロー発) 余は今、
純毛純綿のベッドに横わりながら、昨日に引続き、スカパフロー発の第二報の原稿を書い....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
かないかしら、もしいいお気付があったら教えて頂戴。毛糸でこしらえた下着類も、もう
純毛なんかないし。本当に何かいい思いつきをしたいこと。お母さんは毛皮の胴着、羽毛....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
目よ。又ちゃんとつくろって、大事大事にとっておいてつかわなければなりませんから。
純毛は大人用は本年はないでしょうね、折角のおくりものでも。
ユリのエッチラオッ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。こうして書いていて手がかじかみます。アンポン式足袋はいかがでしょうか、あれでも
純毛よ。出来上りがいかにもおそるべき手工品ですけれども、作りかたには叶っているの....
「塩花」より 著者:豊島与志雄
も、今や自信が持てた。 手の爪ももうみがきあげられた。 背広服は少し古いが、
純毛のもので、丹念にブラシがかけられていた。腕時計の腕輪は、革では汗や埃がしみる....
「一ノ倉沢正面の登攀」より 著者:小川登喜男
たちには、その一夜は楽ではなかった。しかし二人は濡れない上着を持っており、自分は
純毛のシャツだったのでかなり助かった。ルックザックの底に残っていたわずかな菓子な....