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純潔
「純潔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
純潔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
やりながら即座にこう答えた。その目は相変わらず淫蕩《いんとう》と見えるほど極端に
純潔だった。
純潔と見えるほど極端に淫蕩だった。岡は怖《お》じながらもその目から自....
「星座」より 著者:有島武郎
もそんなところにまごついてはいられない。しかも今のところおぬいさんは処女の美しい
純潔さで俺の心を牽《ひ》きつけるだけで、これはいつかは破れなければならないものだ....
「外科室」より 著者:泉鏡花
べからざるごとき観あるところの外科室の中央に据えられたる、手術台なる伯爵夫人は、
純潔なる白衣《びゃくえ》を絡《まと》いて、死骸《しがい》のごとく横たわれる、顔の....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
と、罪業と、悪徳との養成にあらざるなし。白糸の鉄拐はこれを天真に発して、きわめて
純潔清浄なるものなり。 渠は思うままにこの鉄拐を振り舞わして、天高く、地広く、....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
人だ、今に来たら、お前も手伝って口説いてくんねえ。何だ、何だ、(と聞く耳立てて)
純潔な愛だ。けつのあいたあ何だい。」 と、襖にどしんと顔を当てて、 「蟻の戸渡....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
考えている。しかし私が貰おうとする妻は君らには想像も出来ないほど美しい、富裕な、
純潔な少女なんだ」 そういって彼れは笏を上げて青年たちに一足先きに行けと眼で合....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
さえ言い現わし得ないで終ってしまった。その生涯はいかにも高尚である、典雅である、
純潔である。僕が家庭の面倒や、女の関係や、またそういうことに附随して来るさまざま....
「人間灰」より 著者:海野十三
ジロリと青谷の顔を見た。 「なぜ大不利か? 手錠をかけられていることが永いほど、
純潔らしい貴下の顔形が曇ってゆくからです。これまで六回に亘って貴下が犯してきた変....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
の昔の純粋なのに比べて、これはただ若き夫万吉郎に媚びんがための努力であったとは、
純潔女史のために惜しんでもあまりある次第だが、なにがこうもヒルミ夫人を可憐にさせ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
気取りで、同じ部屋に泊ったが、それは便宜のためであって、二人の身体の関係は、長く
純潔に保たれていた。 毎日毎日、宿泊所の朝が来ると、二人は連れだってそこを出た....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
かったろうと思います。 確に御縁着きになる。……双方の御親属に向って、御縁女の
純潔を更めて確証いたします。室内の方々も、願わくはこの令嬢のために保証にお立ちを....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
会議員――一雪の親だよ――その令嬢が、自分一人。女は生れさえすりゃ誰でも処女だ、
純潔だのに、一人で
純潔がって廓の売色を、汚れた、頽れた、浅ましい、とその上に、余....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
さんはつづいてかく物語るのでした。―― 『御身も知るとおり、こちらの世界では心の
純潔な、迷いの少ないものはそのまま側路に入らず、すぐに産土神のお手元に引きとられ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
表するかの如く、それに限りて、ゆっくり書くのであった。取扱わるる題目は、悉く高尚
純潔なものばかり、そして他人に示すよりも、私自身の指南車としてよいものばかりであ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
っていた。その木立のあいだから教会の瀟洒な白壁がしとやかに光っているありさまは、
純潔なキリスト教精神が暗い幽境から輝きでるようであった。なだらかな斜面がここから....