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「純綿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

純綿の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
風の便り」より 著者:太宰治
ねえや、それにお酒は昼から飲み放題と来らあ、銭湯は朝からあったし、ふんどしだって純綿だったぜ。「我儕《われら》エジプトの地に於いて、肉の鍋の側に坐り、飽《あく》....
縮図」より 著者:徳田秋声
ぶら歩きながら、大通りへ出て行った。銀子は唐物屋や呉服屋、足袋屋などが目につき、純綿物があるかと覗いてみたが、一昨年草津や熱海へ団体旅行をした時のようには、品が....
三月の第四日曜」より 著者:宮本百合子
針を考えると滑稽のようだし可哀想でもある。それでも頼むひとの本気の顔は、やっぱり純綿のときと変らないのであった。 勤めさきの仕事に使う紙もこの頃はやかましくな....
播州平野」より 著者:宮本百合子
にもなんねえ。いかがです一杯――わしらの酒でも、はあ満更馬鹿にしたもんじゃない、純綿でやすって――ね、旦那、一杯。つき合いちゅうもんだ」 ひろ子は、下駄をはい....
人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
からんと鳴るものがあった。それはこの土地に今大流行の、獣の牙を集め、穴を明けて、純綿の紐を通した頸飾りであった。醤は、このからからんという音を聞くたびに、寒山寺....
沈没男」より 著者:海野十三
オーク号乗艦第一報をこれにて終る。 (×月×日、スカパフロー発) 余は今、純毛純綿のベッドに横わりながら、昨日に引続き、スカパフロー発の第二報の原稿を書いてい....
「青眉抄」について」より 著者:宮本百合子
と」 「さすがに装幀もようござんすね」 そう云ったきり一冊しか出さないのである。純綿ものでも出されたような工合で、その一冊を買った。 日本画家の芸術家としての....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
て、これをお土産にどうだろうと、女のつかう胸からかける前かけをおひろげになった。純綿だが、と。ああこれは大変いい思いつきで皆よろこびます。咲枝、寿江、ひさ、みん....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
です。もしお気づきがあったらお知らせ下さい。 足袋は今はくのがありませんから、純綿ではない何かお送りいたします。そちらのひどくなったのを、やはりとりすてにしな....
祭りの夜」より 著者:豊島与志雄
味線の古い転手《ねじ》でわざわざ拵えさしたという象牙のパイプは、私の気に入った。純綿の単衣が、お寝間着にと届けられた時は、私はへんに惨めな気持ちになった。――私....
夜光虫」より 著者:織田作之助
「カレーライス出来る……?」 「出来ます」 「ライス……って米なの……?」 「純綿です」 「純綿……?」 と、きき返したが、 「――ア、そうか。白米か」 ....