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「紗綾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紗綾の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
て往って来い、コヽ跣足《はだし》で往け、へい申し旦那、お浪の云う通り損料を借りて紗綾羽二重《さやはぶたえ》を着て往ってもお悦びなさる旦那じゃねえ、損料を着て往け....
鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
しては「女《おんな》肌には白|無垢《むく》や上にむらさき藤の紋、中着《なかぎ》緋紗綾《ひざや》に黒繻子《くろじゅす》の帯、年は十七|初花《はつはな》の、雨にしお....
婦系図」より 著者:泉鏡花
も乱れない円髷の艶も溢さず、白粉の濃い襟を据えて、端然とした白襟、薄お納戸のその紗綾形小紋の紋着で、味噌汁を装う白々とした手を、感に堪えて見ていたが、 「玉手を....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
して半蔵の心を引いたのは衣裳全体の長さから受ける娘らしい感じであった。卍くずしの紗綾形模様のついた白綾子なぞに比べると、彼の目にあるものはそれほど特色がきわだた....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ますか。眠れますまいねえ」 襖の蔭から半身が見える、白羽二重《しろはぶたえ》に紗綾形《しゃあやがた》、下には色めいた着流し。お絹は莞爾《にっこ》としてこっちを....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
、納ぬしの文字などは見分けがつかない。けれども、塗柄を受けた服紗のようなものは、紗綾か、緞子か、濃い紫をその細工ものに縫込んだ。 武器は武器でも、念流、一刀流....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の裏が破れていた。)きちんと胸高なお太鼓に、一銭が紫粉で染返しの半襟も、りゅうと紗綾形見せたであろう、通力自在、姐娘の腕は立派である。 ――それにつけても、お....
雪柳」より 著者:泉鏡花
梟が塒した夢は、ここではっきり覚めました。七宝の粧も螺鈿の衣桁もたちまち消えて、紗綾、縮緬も、藁、枯枝、古綿や桃色の褪せた襤褸の巣となったんです。 「かねてから....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
と模様のある茣蓙で、藺の茎を材料にしたものであります。織方で色々な縞を出します。紗綾形とか市松とか菱紋とか、線の組合せで様々な紋様を織り出します。時には手をかけ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
腰をかがめていた。 「さあ、どうぞお先へ――」 見ると武家の別邸らしくもない。紗綾形編みの篠垣に、柳を抱いた女性的な門づくり。どうしてもしかるべき白拍子の家で....