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紙
「紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
52
往来の角《かど》に立っているポスト。ポストはいつか透明になり、無数の手
紙の折り重なった円筒の内部を現して見せる。が、見る見る前のようにただのポストに変....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
う。あの雨の最中《さいちゅう》に若槻《わかつき》から、飯を食いに来ないかという手
紙なんだ。ちょうど僕も暇だったし、早めに若槻の家へ行って見ると、先生は気の利《き....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
、おもむろに行燈をひき寄せて、燈心《とうしん》の火をそれへ移した。火はめらめらと
紙を焼いて、甚太夫の苦《にが》い顔を照らした。
書面は求馬が今年《ことし》の春....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
た小野寺十内が、何かと思った気色《けしき》で、ちょいと顔をあげたが、すぐまた眼を
紙へ落して、せっせとあとを書き始める。これは恐らく、京都の妻女へ送る消息でも、認....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
ょに行くのですか?
保吉 勿論一しょに行くのです。しかし妙子は立つ前に達雄へ手
紙をやるのです。「あなたの心には同情する。が、わたしにはどうすることも出来ない。....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
》氏も誰かからこの話を聞いたと見え、どうも馬の脚になったことは信ぜられぬと言う手
紙をよこした。岡田氏はもし事実とすれば、「多分馬の前脚《まえあし》をとってつけた....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
―」 遠藤がそんなことを考えていると、突然高い二階の窓から、ひらひら落ちて来た
紙切れがあります。 「おや、
紙切れが落ちて来たが、――もしや御嬢さんの手
紙じゃな....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
僕は卒然飯田蛇笏と、――いや、もう昔の蛇笏ではない。今は飯田蛇笏君である。――手
紙の往復をするようになった。蛇笏君の書は予想したように如何にも俊爽の風を帯びてい....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
は久しい前から机の抽斗を掃除しようと思っていたのだ。私は三十年来、同じ机の中へ手
紙も勘定書もごたごたに放り込んでいたからだ。抽斗の中が手のつけようもないほどとッ....
「初雪」より 著者:秋田滋
にいたので、ほんの少しではあったが、彼女は悪感がした。 家へ帰ると、良人から手
紙が来ていた。彼女は相かわらず微かな笑みをうかべながら、その封を切って、それを読....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
き者なればとて、外に知辺もなければこの人を便りとしたりしなり。尋ね着きて伯父の手
紙を渡せば、その人は受取りて表書の名を見るより涙を溢して悦び、口早に女房にも告げ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
製本をしたのだそうである。 かように製本をしている間に、ファラデーは単に本の表
紙だけではなく、内容までも目を通すようになった。その中でも、よく読んだのは、ワッ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
者がどこにあるでしょう! 私はその子が満足するだけ接吻をしてやりました。優しい手
紙も書きました。その手
紙は母親たちも読んでいたのです。その子は火のような手
紙を書....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
大きな教室が一つきりの粗末な丸太づくりだった。窓はガラス張りのもあったが、帳面の
紙をはぎあわせてあるのもあった。不在のときには、きわめて巧妙に、細枝でつくった紐....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
気なく赤児の帯をほどいて、厩の方へつれて行こうとすると、大きな振袖の中から一枚の
紙片が落ちて来ました。 「何んだべい!」と言って、その
紙片を亭主の太郎右衛門に渡....