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紙きれ
「紙きれ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紙きれの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
そのころ日本では珍しいファウンテン・ペンを取り出して、筆の動くままにそこにあった
紙きれに字を書いてみた。
「女の弱き心につけ入りたもうはあまりに酷《むご》きお....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
るようで素直にあかないんです。変だと思って無理にこじあけると、奥の方に何か書いた
紙きれが挟まっていたので、引っ張り出して読んでみると、それが娘の書置なんです。走....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
これは普通の色紙でなく、その時節にかぎって市中の紙屋で売っている薄い短尺型の廉い
紙きれであるが、この時にも大きい子供はほんとうの色紙や短尺に書くのもある。七月に....
「振動魔」より 著者:海野十三
方を捕縛します。令状は、ここにちゃんとあります」 帆村と名乗る私立探偵は、白い
紙きれを、僕の方に押しやった。 「莫迦なことを云っちゃいかん」 と、僕は云った....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
着いた時、フランスのこの自由はすぐさま幻滅させられてしまった。受付の男が活版刷の
紙きれを持ちだして、そこへ何か書き入れろと言う。見れば立派な宿帳だ。しかも日本の....
「獄中記」より 著者:大杉栄
日の夜ある看守の手を経て、「あす仮出獄で出る、君が出ればすぐ会いに行く」と言った
紙きれを受取ったが、それっきり彼とはまだ一度も会わない。 二十五年目の出獄 ....
「超人間X号」より 著者:海野十三
か、向こうのスクリーンにうつるから、それによって、十分注意するように―― この
紙きれにうなずいて、山形警部は、五人の少年といっしょに操縦室を出た。火焔放射器を....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
だ。 山ノ井も川上も艇長服を着たがいこつ艇長のようすに、こわいのをがまんして、
紙きれに書いてある文句をひろって読んだ。 それは、つぎのような文章であった。 ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
て使ったのです。 炭やき爺さんは、竈の屋根にのぼり、煙突のそばに立って、一彦が
紙きれに書きつけた長短の符号をみながら、煙突に風呂敷をかぶせて、煙をとめたり出し....
「電気鳩」より 著者:海野十三
マルは一生けんめいで、ほえています。 いまはこれまでとおもい、高一はそのすきに
紙きれに、はしりがきをすると、腰にさげていた伝書鳩のあしにつけ、ぱっとはなしまし....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
われたる死体が、敷布の下に行儀よく置かれてあった。陪審長は胸のポケットから鉛筆と
紙きれを把り出して、念入りに次の評決文を書くと、他の人びともみな念を入れて署名し....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いにちいさくみえたとき、エリーザの足はしっかりと大地につきました。 お日さまは
紙きれが燃えきれて、さいごにのこった火花のようにみえてふと消えてしまいました。お....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
)ですね、老婆は、今度は竹箆を口に啣えて、片手で瓶の蓋を圧え、片手で「封」という
紙きれを、蓋の合せ目へ禁しながら、ニヤリとしている。 その、老婆に、形も面も、....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
だ。たまりかねてドアをあけると、下宿のおやじが立っていて、なまいきな態度で一枚の
紙きれをさしだしたが、ひょいとぼくの顔をみると、目玉がとびでるほどおどろいて、紙....
「ものぐさじじいの来世」より 著者:小川未明
わりで遊びました。そして、おじいさんが、こくり、こくりと居眠りをしますと頭の上に
紙きれをのせたり、背中に旗などを立てておもしろがって笑ったものです。 おじいさ....