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「紙凧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紙凧の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玩具」より 著者:太宰治
うにもならなくなってしまう場合がある。そんな場合になってしまうと、私は糸の切れた紙凧《かみだこ》のようにふわふわ生家へ吹きもどされる。普段着のまま帽子もかぶらず....
彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
それにつづいて手前のほうに百坪ほどの空地が見える。龍という緑の文字が書かれてある紙凧《かみだこ》がひっそりあがっている。あの紙凧から垂れさがっている長い尾を見る....
老妓抄」より 著者:岡本かの子
垂らし、投出して行くような足取りで、一つところを何度も廻り返す。そうかと思うと、紙凧《かみだこ》の糸のようにすっとのして行って、思いがけないような遠い売場に佇《....
秋の幻」より 著者:豊島与志雄
母親の膝に縋りつきたいような気持になるのであった。 幼い頃、春になるとよく彼は紙凧を揚げた。時々は村の百姓達に叱られながら、紫雲華の咲いた畑の上に蹲って、自分....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
るので、陽の光をうけて傾くたびに、ギラリと銀色に光る。 小川町《おがわまち》の紙凧《たこ》屋、凧八で十文で買ったからす凧。けさ早くから二番原へやってきて、夢中....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ど、あの城太郎が、風邪で寝ているなどとは信じられない。――きっと暢気に春先の空へ紙凧でも揚げて遊んでいるのかも知れない。お通は、腹が立ってきた。 ――け....