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「紙墨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紙墨の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:太宰治
に臨んだ小綺麗な旅館であった。 小川君の書斎は、裏二階にあった。明窓浄几、筆硯紙墨、皆極精良、とでもいうような感じで、あまりに整頓されすぎていて、かえって小川....
堺事件」より 著者:森鴎外
人は皆平常のように談笑して、時刻の来るのを待っていた。 この時両藩の士の中に筆紙墨を用意していたものがある。それが二十人の首席にいる箕浦の前に来て、後日の記念....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
日長崎の公園に遊びて有名なる丸山など見物し、帰途|勧工場《かんこうば》に入りて筆紙墨《ひっしぼく》を買い調《ととの》え、薄暮《はくぼ》旅宿に帰りけるに、稲垣はあ....
魔像」より 著者:林不忘
かみしょう》の老舗《しにせ》がある。千代田城のお書役《かきやく》御書院番部屋に筆紙墨類を入れている、名代の大店《おおだな》だ。今度隣りに地所を買って建前《たてま....
小学教育の事」より 著者:福沢諭吉
それより以下幾百万の貧民は、たとい無月謝にても、あるいはまた学校より少々ずつの筆紙墨など貰うほどのありがたき仕合《しあわせ》にても、なおなお子供を手離すべからず....
三国志」より 著者:吉川英治
べきを勧め惹いて、先帝玄徳と自分との宿縁、また情誼とを顧みて、筆ここにいたるや、紙墨のうえに、忠涙の痕、滂沱たるものが見られる。 表は長文であった。 臣|亮も....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
放鷹も蹴鞠も彫刻も、やったものと思われる。だから彼の画はどこまで、彼の知性を単に紙墨へ点じてみたまでの即興であり余技であって、美術批評的な見方や詮索はすまじきも....