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級
「級〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
級の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
その上また、身ぶりとか、顔つきとかで、人を笑わせるのに独特な妙を得ている。従って
級《クラス》の気うけも、教員間の評判も悪くはない。もっとも自分とは、互に往来《ゆ....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
おろしているばかり、またしてもほととぎすの、声がおちこちに断続して、今まで七丈五
級の大石段に、たたずんでいた阿濃《あこぎ》の姿も、どこへ行ったか、見えなくなった....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
貧しかった。尤《もっと》も彼等の貧困は棟割長屋《むねわりながや》に雑居する下流階
級の貧困ではなかった。が、体裁を繕う為により苦痛を受けなければならぬ中流下層階
級....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
、彼は急に自分の子供らしい自尊心が恥ずかしく感ぜられた。自分はさっき平吉が、最上
級の語《ことば》を使って八犬伝を褒《ほ》めた時にも、格別|嬉《うれ》しかったとは....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
後《のち》また引き続いて校長などの信用も相当にございましたのとで、年輩にしては高
級な十五円と云う月俸を頂戴致して居りました。唯今でこそ十五円の月給取は露命も繋《....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
どこかに、漂《ただよ》っている種類の人であった。が、同時にまたその顔には、貴族階
級には珍らしい、心の底にある苦労の反映が、もの思わしげな陰影を落していた。私は先....
「河童」より 著者:芥川竜之介
けません。あのマッグに聞かせたら、さぞ大笑いに笑うでしょう。あなたの国でも第四階
級の娘たちは売笑婦になっているではありませんか? 職工の肉を食うことなどに憤慨し....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
の中で、最もそれを話題にする事を好んだのは所謂《いわゆる》、お坊主《ぼうず》の階
級である。彼等はよるとさわると、鼻をつき合せて、この「加賀の煙管」を材料に得意の....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
今度は一つうちの雑誌に小説を書いては頂けないでしょうか? どうもこの頃は読者も高
級になっていますし、在来の恋愛小説には満足しないようになっていますから、……もっ....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
。いや寧《むし》ろ「天《あめ》が下《した》のいろごのみ」と云う、Dandy の階
級に属するような、生活さえもつづけている。が、不思議にも、そう云う生活のあい間に....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
しい白い色を、つめたく肉の上へ硬《こわ》ばらしている。恐らく学者とか何とか云う階
級に属する人なので、完《まった》く身なりなどには無頓着なのであろう。
「オールマ....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
と、それには、山神廟《さんじんびょう》と云う三字があった。
入口の石段を、二三
級|上《のぼ》ると、扉が開いているので、中が見える。中は思ったよりも、まだ狭い。....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
時は水泳協会も芦の茂った中洲から安田の屋敷前へ移っていた。僕はそこへ二、三人の同
級の友達と通って行った。清水昌彦もその一人だった。 「僕は誰にもわかるまいと思っ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
僕は何度も読み返した「マダム・ボヴァリイ」を手にとった時さえ、畢竟僕自身も中産階
級のムッシウ・ボヴァリイに外ならないのを感じた。…… 日の暮に近い丸善の二階に....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
好まず、出たらめを云わず、身を処するに清白なる事、僕などとは雲泥の差なり。同室同
級の藤岡蔵六も、やはり謹厳の士なりしが、これは謹厳すぎる憾なきにあらず。「待合の....