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「紛い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紛いの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青服の男」より 著者:甲賀三郎
を飛び出したのも、やはりその通りなんです。六時三分の上り列車に乗ったのは、正真|紛いなしの信造だったんです。それから先が違うので――立腹した信造はその足で直ぐ蒲....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ら開いた廚子から拝されて、誰が捧げたか、花瓶の雪の卯の花が、そのまま、御袖、裳に紛いつつ、銑吉が参らせた蝋燭の灯に、格天井を漏る昼の月影のごとく、ちらちらと薄青....
星女郎」より 著者:泉鏡花
苦むに相違ござらん。 大蛇でも居て狙うか、と若い者ちと恐気がついたげな、四辺に紛いそうな松の樹もなし、天窓の上から、四斗樽ほどな大蛇の頭が覗くというでもござる....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
銭を出そうとすると「まあお待ちなさい、あなたは私を御存知ありませんか」という声が紛いなくツァ・ルンバに違いございませんから「知って居る」と笑いながら答えました。....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
った、二階の取っ付き部屋でした。緋の絨毯を敷き詰めた洋間でありながら、ブェランダ紛いの広い縁側がついて、明け放した大きな硝子戸からは海や谷底を見下ろして、さっき....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
、考えると不思議にも面白い装飾に達したものであります。玩具の犬張子などにも、何か紛いない江戸の姿が浮びます。今まではどの家でも子供のお宮参りの時、これを祝いに求....
三国志」より 著者:吉川英治
は、※亭から川口にいたる広大な地域に、四十余ヵ所の陣屋と壕塁を築き、昼は旌旗雲と紛い、夜は篝火に天を焦がしていた。 「呉軍の総司令は、こんど陸遜とかいう者に代っ....