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紛らせる
「紛らせる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紛らせるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
人に口を利《き》くのも、顔を見られるのも厭になったような自分の心の怯《おび》えを
紛らせるために、一層|精悍《かいがい》しい様子をして立働いていた。そして客の膳立....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
空の箱を携え居り、喜びにも悲みにも其心の動く度我顔色を悟られまじとて煙草を嚊ぐに
紛らせるなり、兎角するうちに馬車は早やクリチーの坂を登り其外なる大通を横に切りて....
「縮図」より 著者:徳田秋声
合の狭苦しい部屋に気詰りを感じ、持前の放浪癖も手伝って、時々場所をかえては気分を
紛らせるのであった。それには彼女も体の自由な看板借りであり、何かというと用事をつ....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
ですね。」 庸三は妻の死んだ時、金を持って来てくれたり、寂しい子供たちの気分を
紛らせるために、ラジオを装置してくれたりした、一色の好意も思わないわけではなかっ....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
出した。 「旅に出て歳を送るのは、さだめし心細いものだろうと思うな。その心細さを
紛らせるのに何かいいものがあったら、遠慮なくいってくれたまえ。」 すると、武億....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
、それを冗談半分に警句やなんかで片付けられるものではありません。下らない話で気を
紛らせるものではありません。」 「そんなでは、うっかり口も利けないことになるのね....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
について彼女は気をもんだ。がその懸念は少なくとも、彼女の心を孤独の寂しさから多少
紛らせるのに役立った。翌日応接室で彼に会える三十分ばかりのことも、彼女はもう考え....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
どい目を見る。おちついて待つより仕方がねえ、うんそうだ、こんな時には、何かで心を
紛らせるがいい。紙に書かれた『川大丁首』よしこの意味を解いてやろう」そこで彼は考....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
、物狂おしい讒謗と、惨めな絶望の発作と、そしてエリザベスへの熱情的な手紙とで気を
紛らせるにいたった。数百人になる一支隊が、戦場で臆病を示したとき、彼はすべての仕....