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素因
「素因〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
素因の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
それなる達磨を好いた女について事実の有無をたしかめ、縊死《いし》を企つるに及んだ
素因が単なる失恋の結果からであるか、それともほかに何かかくされた事件があるか、そ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
金術、それに、ボッチゲルの磁器製造法からホーヘンハイムやグラハムの治療医学にまで
素因をなしていると云われるのだから、驚くべきじゃないか。また、猶太秘釈義法からは....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
面に立会ったのは、彼の性格の一面が覗われると共に、他日支倉の断罪に当って、有力な
素因を造ったのだった。 それにしても神戸牧師は気の毒であった。彼はこの僅々半時....
「早すぎる埋葬」より 著者:佐々木直次郎
きりした病名がないために類癇(10)と呼ぶことにしている。この病気の直接的なまた
素因的な原因や、また実際の症状さえもまだはっきりわからないのであるが、その外見上....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
な横へどけて、怪談へ戻ろうじゃないか」 「とんでもない。要するに、第二又は第三の
素因《そいん》によって、仔猫が宙を飛び、鞄が空を走るものと推定し得られないことは....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
よくないとか、増幅装置《ぞうふくそうち》がうまいところで働いてないとか、そういう
素因《そいん》によって音声はゆがめられる。 だが、権威ある送信局から出るものは....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
、たちまち怒牛のように奮い立った。 もっとも、このときは、翻然奮起すべき一つの
素因のためにお尻をどやされたのである。それはどういうことかというと、この奇怪なる....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
然の性格があって、どうしても和服を発明し、それを着なければならないような決定的な
素因があるのだろうか。 講談を読むと、我々の祖先は甚だ復讐心が強く、乞食となり....
「保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
メートル法の久作が悲劇の中心的人物となったことは意外というほかはない。しかしその
素因は他にあった。たまたま中平の盗難を機にそれが発したのであるが、その表面に現れ....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
しましょう。と云うのは、推摩居士の行衣にある瓢箪形の血痕を、各人各様に見た印象が
素因なのです。所が、貴女だけは、それを知らない――と答えましたっけね。私は、あれ....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
云う事になっている。 つまりその娼婦を、男装させて連れ帰ったと云うのが、悲劇の
素因となり、全篇を通じて、色あでやかな宮廷生活が描写されて行く。そして、ホレイシ....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
、五月の緑風が、輝く若葉を繙いていく。 日本人の、純情を培ったものには、数多い
素因があるであろう。 しかし、私が最も有力なる
素因として感じているものに、国土....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
年齢にさしかかっていて、自ずとこれまでの調子には行かなくなっていた。これは重要な
素因として、枯れた調子を愛しはじめる老衰ということも考えねばならぬが、今一つは新....
「近頃感じたこと」より 著者:小川未明
自治的精神によってのみ、その結果が期待されるものと信じます。そして、かゝる情操の
素因をつくるものこそ、実に文芸の使命であり、人格的教育のたまものと考えています。....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
たのである。 エタの被った残酷なる圧迫は、彼らが穢れたものだと誤解せられた点に
素因を有している。しかしながらその圧迫を劇甚ならしめた直接の動機は、彼らの人口増....