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素性
「素性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
素性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
うのうし》がいた。これも順鶴《じゅんかく》と云う僧名《そうみょう》のほかは、何も
素性《すじょう》の知れない人物であった。
(大正九年四月)....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
敏が行くようになったかは、後で御話しする事にしましょう。
ところでお島婆さんの
素性はと云うと、歿くなった父親にでも聞いて見たらともかく、お敏は何も知りませんが....
「或る女」より 著者:有島武郎
った。
紺の飛白《かすり》に書生下駄《しょせいげた》をつっかけた青年に対して、
素性《すじょう》が知れぬほど顔にも姿にも複雑な表情をたたえたこの女性の対照は、幼....
「或る女」より 著者:有島武郎
ら女中は、昨晩おそく着いて来た、ちょっと得体《えたい》の知れないこの美しい婦人の
素性《すじょう》を探ろうとするように注意深い目をやった。葉子は葉子で「浜」という....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の細君はちょうど(二十)と見えるが三だとサ、その年紀で酸漿を鳴らすんだもの、大概
素性も知れたもんだ、」と四辺近所は官員の多い、屋敷町の夫人連が風説をする。 す....
「妖術」より 著者:泉鏡花
子は余りお儀式過ぎる。……踊の稽古の帰途なら、相応したのがあろうものを、初手から
素性のおかしいのが、これで愈々不思議になった。 が、それもその筈、あとで身上を....
「春昼」より 著者:泉鏡花
、甚しい沙汰をするのがござって、丁と底知れずの池に棲む、ぬしと言うもののように、
素性が分らず、ついぞ知ったものもない様子。」 「何にいたせ、私なぞが通りすがりに....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
ら出た乞食だよ、とまた酷いことを言います。尤も裸体が渋紙に包まれていたんじゃ、氏
素性あろうとは思わぬはず。 衣物を脱がせた親仁はと、唯悔しく、来た方を眺めると....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
が、人の妾だとも云うし、本妻だとも云う、どこかの藩候の落胤だとも云って、ちっとも
素性が分りません。 娘は、別に異ったこともありませんが、容色は三人の中で一番|....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
て、柱に背を持たしたのは若山|拓、煩のある双の目を塞いだまま。 生は東京で、氏
素性は明かでない。父も母も誰も知らず、諸国漫遊の途次、一昨年の秋、この富山に来て....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ものではないのですが、斯うした深い因縁の絆で結ばれている上からは、一と通り自分の
素性を申上げて置くことに致しましょう。私はもと京の生れ、父は粟屋左兵衞と申して禁....
「カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
期デアロウ。(コノ項ハ活字以外ノ領分ニ脱線シタ。) 三、ヒラガナトイウモノハソノ
素性ヲ探ルト、イズレモ漢字ヲ極端ニ崩シタモノニスギナイ。スナワチ形カライエバ草書....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
一件じゃありませんか。ええ、おかみさん。 私等が口を利くにゃこっちの姉さんの氏
素性来歴を、ちゃんと呑込んでいなかった日にゃ、いざッて場合に、二の句が続かないだ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
娘だ、兄の児だ、弟の嫁だッて、うじゃうじゃしている……こっちが何ものだか職業も氏
素性も分らなけりゃ、先方様も同然なんだから、何しろ、人の女房で見りゃ、その亭主に....
「活人形」より 著者:泉鏡花
用を省くと唱え、八蔵といえる悪僕一人を留め置きて、その余の奴僕は尽く暇を取らせ、
素性も知れざる一人の老婆を、飯炊として雇い入れつ。こは後より追々にし出ださんずる....