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「素焼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

素焼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
作品の生活に対する関係を、自分が発見した時に限るのである。Hissarlik の素焼の陶器は自分をして、よりイリアッドを愛せしめる。十三世紀におけるフィレンツェ....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
いた。娘は身をかがめながら、苔蒸《こけむ》した井筒《いづつ》に溢《あふ》れる水を素焼《すやき》の甕《かめ》へ落していたが、ほかの女たちはもう水を汲《く》み了《お....
のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
てそんな物々《ものもの》しい駄目《だめ》をおしながらその女の話した薬というのは、素焼《すやき》の土瓶《どびん》へ鼠の仔を捕って来て入れてそれを黒焼きにしたもので....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
骨、鏡、剣、曲玉《まがたま》のたぐい、それらはひとつも見付かりませぬ。ただひとつ素焼の壺があらわれました」と、遠光は説明した。 「素焼の壺……」 「打ち砕いて検....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
十年ほど前から、誰が考え出したか知らないが、江戸には河豚《ふぐ》太鼓がはやった。素焼の茶碗のような泥鉢の一方に河豚の皮を張った物で、竹を割った細い撥《ばち》で叩....
食魔」より 著者:岡本かの子
だという。そういえばこの端麗な食青年にも愚かしいものの持つ美しさがあって、それが素焼の壺とも造花とも感じさせる。情慾が食気にだけ偏ってしまって普通の人情に及ぼさ....
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
体。破れたる壁に舞楽の面などをかけ、正面に紺暖簾の出入口あり。下手に炉を切りて、素焼の土瓶などかけたり。庭の入口は竹にて編みたる門、外には柳の大樹。そのうしろは....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いのだ。つまり、一本の柱、貫木にもだよ。それから蛇腹、また廊下の壁面を貫いている素焼の朱線にも、注意を払っていいと思う」 「すると、君は、この館の設計図が必要な....
ルバイヤート」より 著者:小川亮作
えし盃にしたり、また壺にしたり。 67 昨夜酔うての仕業だったが、 石の面に素焼の壺を投げつけた。 壺は無言の言葉で行った―― お前もそんなにされるのだ!....
高原の太陽」より 著者:岡本かの子
素焼の壺と素焼の壺とただ並んでるようなあっさりして嫌味のない男女の交際というもの....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
く見える。イベットはもともと南欧ラテン民族の抜ける様な白い額から頬へかけうっすり素焼の赭土色を帯びた下ぶくれの瓜実顔を持つ女なのだが彼女が斯うした無心の態度に入....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
。 彼はどこから貰って来たのか、古びた麻袋に入れた粟を掴み出した。ふちの欠けた素焼の土鍋に川の水をすくい込んで、もとの洞穴へもぐり込んだかと思うと、更にそこら....
つばきの下のすみれ」より 著者:小川未明
みれを鉢に移してやりましょう。」と、竹子さんはいって、すみれをば地面から離して、素焼きの鉢の中に移しました。すみれは、自分の生まれ出た地面から離されることは、た....
花と人の話」より 著者:小川未明
にふたたびあうことは、おそらくなかったのであります。甲のアネモネの鉢は、赤い色の素焼きでした。乙のアネモネの植わっている鉢も、やはり同じ色をしていました。丙のア....
青い花の香り」より 著者:小川未明
「きっと、美しい花が咲くにちがいない。」と、みんなは、たのしみにして、それを黒い素焼きの鉢に、別々にして植えて大事にしておきました。 ほんとうに、久しぶりで、....