素的[語句情報] »
素的
「素的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
素的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。そして今までは、水精と扉を開いた水、風神と倍音演奏――と云っただけの、云わば要
素的な符合しか判ってはいなかったのだ。けれども、いったんそれに性別転換の解釈を加....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
憎ムベキ計画ノ第一部ヲ国民革命ニ対スル連合ノ軍事干渉ニヨッテ実現シタ。山東ノ折軍
素的占領ハ、コノ計画ノ第二部ノ開始デアル。植民地再分割ノタメ帝国主義戦争ガ勃発ス....
「流行暗殺節」より 著者:佐々木味津三
「唄わんな。ではジャカジャカジャンジャンとなにか弾け」 「…………」 「よう。
素的々々、音がきこえ出したぞ。――さあさ、浮いた、浮いた、ジャカジャカジャンじゃ....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
何とか云ったッけ」 長「橋本屋よ」 兼「ムヽ橋本屋だ、彼家で喰った※の煮肴は
素的に旨かったなア」 長「魚が新らしいのに、船で臭え飯を喰った挙句だったからよ....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
だけ沢山取ってやろうと、こんな事を腹の中で考えていた。それに反して多四郎は、この
素的もない黄金を自分一人でせしめたいものだと魂胆を巡らしているのであった。多四郎....
「見えざる人」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
して、私自分の事であなたに出来るだけかいつまんでお話ししたい事がありますの」 「
素的々々と」アンガスが答えた。「そして僕の事についてもなんとかいってもらいたいね....
「火星の芝居」より 著者:石川啄木
ばかりも十カ月かかるそうだ』 『お産をすると同じだね』 『その俳優というのが又|
素的だ。火星の人間は、一体僕等より足が小くて胸が高くて、そして頭が無暗に大きいん....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
お出になりました?」 「それがな、本当に変梃だったよ。おれが後苑を歩いていると、
素的な別嬪が手招きしたものさ。でおれは従いて行った。すると大奥と天主台の間に厳封....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
は、僕の目ざした知識を得るためにはらわれるほどの値うちがありません。この人類の原
素的な敵を領地として手に入れ、それを後世に伝えたいのです。僕がそう語っていると、....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
て前よりは少し穏かな調子で、 「ところで君はここへ来て面白いと思いますか。」 「
素的ですね、実に面白いです。ね、判事さん出来事を一つ一つ集めて、だんだん事件の真....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
しく思いながら、その光景を眺めて居た。が、も少し宿が威張った宿であるとか、女中が
素的な美人であるとかしたならば、この舞台も映えるかも知れないけれども、そんなに漱....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
すから、これだって身の皮を剥いでくれたほどの深切です。何しろ、ひどい空腹の処へ、
素的に旨味そうだから、ふうふう蒸気の上る処を、がつがつして、加減なしに、突然頬張....
「案内人風景」より 著者:黒部溯郎
る事や、重畳した波濤のような山々に就いて説明をした。 「ジャンダルムっての、あら
素的な岩壁ね、アンザイレンしましょうよ! そしてトラヴァースしてみない?」 彼....
「魔性の女」より 著者:大倉燁子
と想っていたんだ。今朝、出がけに寄って、部屋を見せてもらった。離室の茶席、とても
素的だぜ。没落した華族さんの内職にやっている御旅館兼お休息所さ。ここなら会社の人....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
でも私達を引張って行く。木蔭が少ない上に風が無いので堪らなく暑い。道坂まで行くと
素的に冷い水が湧いているというので、南日君は長い脛を飛ばして、サッサと先へ行って....