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紫の袖
「紫の袖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紫の袖の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「永日小品」より 著者:夏目漱石
照り輝《かがや》く海を控《ひか》えて、黄《き》な上衣《うわぎ》を着た美しい男と、
紫の袖《そで》を長く牽《ひ》いた美しい女が、青草の上に、判然《はっきり》あらわれ....
「厳島合戦」より 著者:菊池寛
佐渡守の辞世は、 |莫 人我暫時情 一物不生地 山寒海水清 家臣は、晴賢の首を
紫の袖に包み、谷の奥に隠しておいたが、晴賢の草履取り乙若というのがつかまった為、....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
紫の薄い袖頭巾にほのめいた、が、匂はさげ髪の背に余る。――紅地金襴のさげ帯して、
紫の袖長く、衣紋に優しく引合わせたまえる、手かさねの両の袖口に、塗骨の扇つつまし....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
見ますとね、新聞のまだ残った処に、青錆にさびた金具の口でくいしめた革鞄の中から、
紫の袖が一枚。…… 袂が中に、袖口をすんなり、白羽二重の裏が生々と、女の膚を包....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
夕映えたるを望める光景。居たのが立って、入ったのと、奴二人の、同じ八尺|対扮装。
紫の袖、白襟が、
紫の袖、白襟が。 袖口燃ゆる緋縮緬、ひらりと折目に手を掛けて、....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
来るとは。」 「私にも分らない、ほほほ。」 と、片褄を少し崩すと、ちらめく裳、
紫の袖は斜になった。 「承れ、いかに近常――と更る処だわね。手拭の床几でさ。東京....