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紫式部
「紫式部〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紫式部の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「千代女」より 著者:太宰治
によそよそしくなって、それまで一ばん仲の良かった安藤さんさえ、私を一葉さんだの、
紫式部さまだのと意地のわるい、あざけるような口調で呼んで、ついと私から逃げて行き....
「虚構の春」より 著者:太宰治
般的な概念に抗して戦っているのである。』これを写しながら、給仕君におとぎばなし、
紫式部、清少納言、日本霊異記《にほんりょういき》とせがまれ、話しているうち、彼氏....
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
を一つ焚《く》べて、すうと深く呼吸して眼を細めた。古代の閨秀《けいしゅう》作家、
紫式部の心境がわかるような気がした。春はあけぼの、という文章をちらと思い浮べてい....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
こうから月の上ってくるのを筆を翳《かざ》して眺めている。これは何であるかというと
紫式部の源氏の間である。これが日本流の文学者である。しかし文学というものはコンナ....
「新生」より 著者:島崎藤村
に逢《あ》って来た。その時のマドマゼエルは可成《かなり》もう日本の言葉が話せて、
紫式部の日記ぐらいは読めるような人であった。日本|狂《きちがい》とも言いたいほど....
「春昼」より 著者:泉鏡花
、顔を見合わせて、両方へ避ける時、濃い睫毛から瞳を涼しく※いたのが、雪舟の筆を、
紫式部の硯に染めて、濃淡のぼかしをしたようだった。 何んとも言えない、美しさで....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
纏の裙をからげたでしゅ。巌根づたいに、鰒、鰒、栄螺、栄螺。……小鰯の色の綺麗さ。
紫式部といったかたの好きだったというももっともで……お紫と云うがほんとうに紫……....
「連環記」より 著者:幸田露伴
ヘーとなって恐入り奉る。平安朝は丁度太平の満潮、まして此頃は賢女才媛輩出時代で、
紫式部やら海老茶式部、清少納言やら金時大納言など、すばらしい女が赫奕として、やら....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
のは、誂えたようである。 「出来た、見事々々。お米坊、机にそうやった処は、赤絵の
紫式部だね。」 「知らない、おっかさんにいいつけて叱らせてあげるから。」 「失礼....
「友人」より 著者:上村松園
支那の故事とか、日本の古い物語や歴史のなかの人物である。 小野小町、清少納言、
紫式部、亀遊、税所敦子――そのほかいくらでもある。 楊貴妃、西太后……数えれば....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
わび 身をば捨つとも 亡き影に 浮名流さむ ことをこそ思え……」 小野 なんだ、
紫式部か? 清原 うん。僕あとても同感なんだ。なんだか、この気持、とても清いもの....
「反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
れ出した宇多・醍醐の帝の時代を書こうと言う、漠とした予期があったのである。此は、
紫式部の時代より数代前の事になる。こうした歴史に沿った物語を書く場合には、不断聞....
「作画について」より 著者:上村松園
の「義貞勾当内侍を視る」「頼政賜菖蒲前」「軽女悲惜別」「重衡朗詠」また小野小町、
紫式部、和泉式部、衣通姫などの宮中人物、上※、女房等々、歴史のなかから画材を選ん....
「或る秋の紫式部」より 著者:岡本かの子
時 寛弘年間の或る秋 処 京の片ほとり 人
紫式部 三十一二歳 老侍女 妙な美男 西向く聖 (舞台正面、質素な西の対屋の真....
「馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
あたかも実の人であるかの如くであるのであります。馬琴時代の「人の胸中の人物」は、
紫式部時代の「人の胸中の人物」とは全然別なのでありまして、そして即ち馬琴時代には....