累卵[語句情報] » 累卵

「累卵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

累卵の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
官と、参謀長の背後に、睨みあった。 何という不祥な出来ごとだろう。帝都の運命が累卵の危きにあるのに、その生命線を握る警備司令部に、この醜い争闘が起るとは。 ....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
――もしや、若気のいたりで、力及ばずと知りながら、野望《のぞみ》に向って突進し、累卵《るいらん》を巌壁《がんぺき》になげうつような真似《まね》をして、身を亡《ほ....
乳色の靄」より 著者:葉山嘉樹
っての辣腕家であった。 他の地主たちも、彼に倣って立入禁止を断行した。そして、累卵の危きにある(地主の権利)を辛うじて護る事が出来た。小作人どもは、ワイワイ云....
社会時評」より 著者:戸坂潤
る。ソヴィエトの魔手もこう帝都のすぐ近くにまで逼って来たのでは、満州楽土の治安も累卵の危きにあると云わざるを得まい。 だが、よく考えると、顛覆したのは軍用列車....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
びます 天下の人民、挙《こぞ》ってにくむぞ 肥前の御隠居、昼寝をなさるか 天下は累卵《るいらん》、危うくなったよ 出かけて騒動鎮めて下さい 今まで尽した忠義の廉....
西航日録」より 著者:井上円了
の一斑を知るに足る。かかる天然の地利と富源とを有するにもかかわらず、その国の形勢累卵もただならざるは、その罪天にあらずして人にあり。しかして、シナ国民が泰西の文....
三国志」より 著者:吉川英治
の苦しみも永劫に救われはしない……貂蝉」 「はい」 「おまえも薄々は、今の朝廷の累卵の危うさや、諸民の怨嗟は、聞いてもいるだろう」 「ええ」 貂蝉は、目瞬きも....
三国志」より 著者:吉川英治
出て、江上山野に転戦していることは――われら兵家の者が心して見れば、その危うさは累卵にひとしいものがある。……いわばこの際は彼みずから呉境へ首を埋める墳を探しに....
三国志」より 著者:吉川英治
、もしこれを蜀に迎え入れたら、人心たちまち彼にあらんも知らず。国に二人の主なし。累卵の危機を招くは必然でしょう。――それに張松は魏に使いしながら、帰途は荊州をま....
三国志」より 著者:吉川英治
え、遠隔の蛮地で、五十万が屍と化し、孔明すでにあらずと聞えたら、成都の危うきは、累卵のごときものがある。内に叛臣あらわれ、外に魏呉の兵を迎え、どうして亡びずにい....
私本太平記」より 著者:吉川英治
めて、 「御要心なされませ。何とか、ここの御危難を遁れる工夫をおとりなされませ。累卵の危うさにあるお身の上とは、とりも直さず、おふたり様の今のことです」 と、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
くの“宮方連判”の名をきいていた。――それを思い、これを思い合せれば、 「鎌倉は累卵の危うさ」 と、ひそかに、自分の居る位置も、そっと、見まわさずにいられない....
私本太平記」より 著者:吉川英治
尊氏は臣下」 「でも、ここは、何事もおしのび給わって」 「さまでにご心配か」 「累卵の危うさを見ているようです。ひとたびまたの変でも生じましては、せっかくな御世....
私本太平記」より 著者:吉川英治
。――それもしいて天龍寺造営の名で醸されていた表面的な景気にすぎない――。むしろ累卵の危うさに似るものだったともいえる。 それにこの年の暮には、妙な咳の病が大....