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累積
「累積〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
累積の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
パートメント、タンクを伏せたように重っ苦しい大屋根、長方形の箱を、手品師の手際で
累積したようなアメリカ式鉄筋コンクリートの高層築造物は、垂直の圧力を通行人の頭上....
「銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
いに忘れてしまっていて、大地震が来た時の災害を助長するようなあらゆる危険な施設を
累積していることであろう。それを監督して非常に備えるのが地震国日本の為政者の重大....
「生きつつある自意識」より 著者:宮本百合子
メントを以前の人々のようにただその人にとっては深い意味をもつ日々の身辺的小事件の
累積にだけ見なかった。デュガールは、ジャックをとりかこむそれぞれの時期における社....
「連環記」より 著者:幸田露伴
成立っているのである。如何にもそれで無くては堅固な社会は成立たぬであろう。犠牲の
累積と連続とで社会というものは成立っているのである。犠牲の否認というが如きは最卑....
「現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
り、事件と場面だけが反覆されてるのである。固より、社会運動者の忍苦と熱意、周囲に
累積する迫害と身内に燃ゆる焔、現在の闇黒と未来の曙光、そういうものの持つヒロイッ....
「性格を求む」より 著者:豊島与志雄
。 これに対して、彼等は何と答えるだろうか。 社会運動者の忍苦と意力、周囲に
累積する迫害と身内に燃ゆる火、現在の闇黒と未来の曙光、そういうものの持つ一種ヒロ....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
れるとしたならば、それは東洋が持つ神性なるものへ一躍復帰することによって、夥しく
累積してる旧なるものを乗り越すことから発足し、更にこの発足を世界的規模にまで高め....
「勉強記」より 著者:坂口安吾
中に、年中貯金通帳を入れていた。 こうして不退転の決意をもって巴里密航の旅費を
累積しはじめたのだが、同時に、忽ち、栄養不良の極に達して、亡者にちかい姿になった....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
動かされることもなかった。彼の経験は、とにもかくにも、そういうような道をたどって
累積せられたのである。 泡鳴が衝動的行動を取るとき、もとよりそこに一分の余裕を....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
かかる施設は、もし適当に経営されるならば、換言すれば、異常な死亡率が急速な費用の
累積を妨げないならば、極めて富裕な政府の保護の下でなければ永続し得ないものであり....
「書について」より 著者:高村光太郎
。人工から起ったものは何処までも人工の道を究めつくすのが本当であり、それには人工
累積の美を突破しなければならないのである。生れながらに筆硯的感覚を持っている人の....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
のである。仏像の彫刻がただ形式の踏襲に終始し、ただ工人的|末梢技巧のめまぐるしい
累積となり終った時、此の新興芸術たる物まねの生命たる仮面の製作には実に驚くべき斬....
「一ノ倉沢正面の登攀」より 著者:小川登喜男
そこから狭い岩床となる。その所を右岸の人の踏んだ跡を通って過ぎると、沢は再び石が
累積し幾分広くなって、右岸から急な沢(一ノ沢)が落込んでいる。そしてそのすぐ上手....
「解説」より 著者:原田義人
はただ自分たちだけがもっているのだ。カフカの「世界的名声」というひねくれた誤解の
累積がついに減っていって、自分たちが彼という友人を取りもどすことができたならば、....
「「霜柱の研究」について」より 著者:中谷宇吉郎
研究方法というものは、物理学の既知の知識とはまた別のもので、沢山の本や論文の中に
累積《るいせき》している今までの物理学上の知識というものを余り良く知らなくても、....