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細め
「細め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
細めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
ル》も違うのだ。」
「しかし先生の英雄曲は……」
クラバックは細い目をいっそう
細め、いまいましそうにラップをにらみつけました。
「黙りたまえ。君などに何がわか....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
。それから、――僕は未《いま》だにはっきりとその時の彼の顔を覚えている。彼は目を
細めるようにし、突然僕も忘れていた万葉集《まんようしゅう》の歌をうたい出した。
....
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
通り、(ダアワは月の意味である。)垢《あか》の下にも色の白い、始終糸のように目を
細めた、妙にもの優しい女である。夫の僕とも四人あることは前にもちょっと書いて置い....
「母」より 著者:芥川竜之介
こは暖かでございますね。」
敏子は出窓へ歩み出ると、眩《まぶ》しそうにやや眼を
細めた。
「ええ、こうやって居りましても、居睡《いねむ》りが出るくらいでございま....
「或る女」より 著者:有島武郎
ぶ》ほどまでさしこんでいる、そこに膝《ひざ》を横くずしにすわりながら、葉子は目を
細めてまぶしい光線を避けつつ、自分の部屋を片づけている女中の気配《けはい》に用心....
「親子」より 著者:有島武郎
父は蒲団の左角にひきつけてある懐中道具の中から、重そうな金時計を取りあげて、眼を
細めながら遠くに離して時間を読もうとした。 突然事務所の方で弾条のゆるんだらし....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
ろう。それから水々しく青葉に埋もれてゆく夏、東京あたりと変らない昼間の暑さ、眼を
細めたい程涼しく暮れて行く夜、晴れ日の長い華やかな小春、樹は一つ/\に自分自身の....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
足に行潜ると、玉敷く床の奥深く、千条の雪の簾のあなたに、丹塗の唐戸は、諸扉両方に
細めに展け、錦の帳、翠藍の裡に、銀の皿の燈明は、天地の一白に凝って、紫の油、朱燈....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
う。そこに貴婦人があるのを見ると、出かかった足を内へ折曲げ、杖で留めて、眩そうに
細めた目に、あわれや、笑を湛えて、婆さんの顔をじろりと見た。 「おお、貞さんか。....
「多神教」より 著者:泉鏡花
だと見えて――見い、その婦、胸も、膝も、ひらしゃらと……(お沢、いやが上にも身を
細め、姿の乱れを引つくろい引つくろい、肩、袖、あわれに寂しく見ゆ)余りと言えば雪....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
を支えて白い肱に襦袢の袖口を搦めながら、少し仰向いて、考えるらしく銀のような目を
細め、 「何だろうねえ、杉や。」 「さようでございます、」とばかり一大事の、生命....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
いたやら、それは見ず。いつまた女中が出て去ったか、それさえ知らず。ただ洋燈の心を
細めた事は、一緊胸を緊めたほど、顔の上へ暗さが乗懸ったので心着くと、やがて、すう....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
片隅に押しましたが、灯が映るか、目のふちの紅は薄らがぬ。で、すっと吸うように肩を
細めて、 (おお、涼しい。お月様の音ですかね、月の出には颯といってきっと峰から吹....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
蟇法師は、どこを徘徊したりけむ、ふと今ここに来れるが、早くもお通の姿を見て、眼を
細め舌なめずりし、恍惚たるもの久しかりし、乞食僧は美人臭しとでも思えるやらむ、む....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
年探偵団の同志五人が、帽子をとって、警部ににこにこ挨拶をするのを、戸倉老人は眼を
細めて眺めながら、 「警部さん、聞いて下さい。この子たちが毎日きてくれるので、わ....