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細める
「細める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
細めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
。それから、――僕は未《いま》だにはっきりとその時の彼の顔を覚えている。彼は目を
細めるようにし、突然僕も忘れていた万葉集《まんようしゅう》の歌をうたい出した。
....
「懶惰の歌留多」より 著者:太宰治
、ふさふさした兎の白い毛が附いていて、男は、その毛で自分の耳の中をくすぐり、目を
細める。耳の掃除が終る。なんということもない。それから、また、机の引き出しを、く....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
夜は、ひとりでレコードを聞いて過す。モーツァルトのフリュウト・コンチェルトに眼を
細める。 七月八日。土曜日。 晴れ。虎の門の竹川病院に行って、いま帰って来た....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
もしめった風が吹いている。
ふっと、詩を書きたくなる一瞬がある。歩きながら眼を
細める。何処からも相手にされない才能、あの編輯者のことを考えるとぞおっとして来る....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
はないように思われるが――」
雪之丞は、三郎兵衛が、例の悪狡《わるこす》い眼を
細めるようにして、こんな事を、くどくどと述べたてるのを聞いているうちに、だんだん....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
たべた。 「妙なものが好物なんだなあ」 素子は、新しくたばこに火をつけ煙に目を
細めるようにしていたが、 「ああ、おつまはんから手紙が来ているよ」 その室の角....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
の旺溢した黄金色の全幅にそそぎかけている。青年は画家が真に色彩を眺め取る時に必ず
細める眼つきを、そちらへ向けながら沁々云った。 「あの山吹の色が、ほんとうに正直....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
口髭をちょいとひねった。円いはじきれそうな赭ら顔のすこしく釣った眼尻を仔細らしく
細めると、両腕をテエブルに、そして肩を怒らした。どう見ても快活な佐賀男だ。 「話....