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細分
「細分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
細分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
方がよければ、すぐ駈けつけますが……」 というと、雁金検事は、 「イヤ電話で詳
細分ったから、今夜は来なくてもいいよ。こっちはこっちで人手が十分だから、手配に心....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
ば制度と制度習得感としての習俗が、一見片々たる細々した手回り品や言葉身振りにまで
細分されて捉えられた場合が、恐らく風俗というものだろう。 風俗は社会の基本的機....
「鎮魂歌」より 著者:原民喜
ん》と伸び拡《ひろが》る。あッと思うと光はさッと速度を増している。が、再び瞬間が
細分割されるように光はゆるゆるとためらいがちに進んでゆく。突然、光はさッと地上に....
「しかし昔にはかえらない」より 著者:宮本百合子
ーのもとに一つのせまい文壇的流派にあつめようとするよりも、むしろ、これまで、より
細分された文学愛好者グループとして、旧い文学と文壇潮流からうけて来ている個性の偏....
「「道標」を書き終えて」より 著者:宮本百合子
方向においても、ソヴェト文学以外のヨーロッパ文学の大勢は、第一次大戦後は益々個的
細分化の方向しか辿れなくて、潜在意識の中に自己存在の核をさぐったり、主体的決定の....
「個性というもの」より 著者:宮本百合子
、その全計画に参加し得ない組織によって労力だけをしぼられているうちに、いつとなく
細分され、一面化されている。現在の家庭というものも女にとってこの例外ではない。私....
「前進的な勢力の結集」より 著者:宮本百合子
人が物価七割の値上げから自由であろう。専門で分れ、文化面、生産面という活動場面で
細分されている人民層である間は、抑圧とすべての形での非人間的圧迫に堪える力が弱い....
「あとがき(『宮本百合子選集』第三巻)」より 著者:宮本百合子
た。そして、その限界をのりこえてより社会的に発展するか、またはより主観的なものに
細分され奇形で無力なものになってゆくかの岐路に立った。この極めて興味のある文学上....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
真に新しいものとしてあらわれる筈なのですが、それは現れず、一層小市民的な方向での
細分された才能があらわれているということは、考えさせられます。
(おや、きょうは....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
なま》しい光に焼かれ、熱狂的な雑色に慣れていたので、フランス芸術の薄ぼかしの色や
細分された柔らかな語調などには、なかなか調和しがたかった。 しかしながら、人は....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
家の生命なき抽象観念を打ち拉《ひし》ぐとともに、また、生産力なき個人主義、精力を
細分する観念、集合の力を個々の微力へ分散する観念――一部はフランス大革命に責任の....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
これは非常に正しい。通常の政府の下においては、人口の増加は単に土地所有をいっそう
細分せしめるだけであろう。しかるにかかる共和国においては、土地が平等な、いわば基....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
る。ある者は家または家の使用を売る。ある者は大量に獲得した工業生産物または商品を
細分して売る。ある者は診療・弁護・芸術作品・ある日数または時間の労働を売る。これ....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
しばしば四分の一、三分の一、はなはだしきは二分の一にすら達する。所有地が余りにも
細分されて、農場で家族を養うためにはその地代と利潤とを合せなければならぬような場....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
ようにキャンプ・ファイヤーの火の色がうつり、風が流れると、それが無数の小さな光に
細分され、眼もあやにゆらゆらとゆらめきわたる。 久美子は子供たちの合唱を聞くと....