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細径
「細径〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
細径の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幻談」より 著者:幸田露伴
く》亦《また》已《すで》に繁《しげ》し、という句がありまするから、曲がりくねった
細径《ほそみち》の茅《かや》や棘《いばら》を分けて、むぐり込むのです。歴尋《れき....
「みちの記」より 著者:森鴎外
りたる処なり。そこへ往かんとて菅笠いただき草鞋はきて出でたつ。車前草おい重りたる
細径を下りゆきて、土橋ある処に至る。これ魚栖めりという流なり。苔を被ぶりたる大石....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ではありません。人界の竜か、みみずか、行者の着る白衣を着ている机竜之助が、密林の
細径を出でて薄原《すすきばら》の大見晴らしの真中に立っています。 高尾の山の大....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
が、草が、人の胸へまでも、頭へまでも、からかいかかるくらいに延びていた。
その
細径の、灌木の上へ、草の上へ、陣笠を、肩を、見せたり、隠したりしながら、二人の人....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
は牛飼いに牽かるる仔牛のように、素直に男のあとに付いてゆくと、彼は五、六町ほども
細径をたどって、城の大手らしい松並木の広い路に出た。昔は知らず、いまはここらを往....
「平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
ので一飯を抜くことにして睡むった。 二十一日は五時二十分に出発した、路は明瞭な
細径となって七時に峠を下った、ここで昨日の夜食と兼帯な朝飯をして九時五十分にこの....
「木曽御嶽の両面」より 著者:吉江喬松
い谿、深い渓流の上までも射し込んで、目に入るものは皆透き通る位に鮮かだ。山の下の
細径は谿の上を繞り繞って行く。 西洞から三里ばかり下りると、浅井という村へ出た....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
ここにて始めて小渓流となれり。塩谷温泉は五里の層雲峡の中央にあり。塩谷温泉までは
細径ありて、右岸に通ず。塩谷温泉より上は径なくして、ただ「やまべ」釣りの踏みたる....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
朽葉の残骸を止めた粘り気のある黒土は、たっぷり水を含んでつるりとよく滑る。一条の
細径が右に岐れて二、三町の彼方に崖の中腹を穿った暗い坑道の入口が二つ許り覗かれた....