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細心
「細心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
細心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
うかい》した。同時にまた思わず噴飯《ふんぱん》した。とにかく脚を動かす時には一層
細心に注意しなければならぬ。……」
しかし同僚《どうりょう》を瞞着《まんちゃく....
「或る女」より 著者:有島武郎
ているようだったが、同時に下らない女中ずれが出来心でも起こしはしないかと思うと、
細心に監視するのも忘れはしなかった。こうして隣の部屋に気を配っていながらも、葉子....
「私の父と母」より 著者:有島武郎
えない純粋の薩摩人と言ってよい。私の眼から見ると、父の性格は非常に真正直な、また
細心なある意味の執拗《しつよう》な性質をもっていた。そして外面的にはずいぶん冷淡....
「親子」より 著者:有島武郎
かと思う事もあった。彼はそういう時には思わず知らずはらはらした。何処までも謹恪で
細心な、そのくせ商売人らしい打算に疎い父の性格が、あまりに痛々しく生粋の商人の前....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、三発うて。避難民だったら、四発だ。時節がら、怪しい奴かも知れぬから、臨機応変、
細心に観察して、判ったら直ぐ知らせろッ」 軍曹は、わかったと見えて、首を上下に....
「海底大陸」より 著者:海野十三
てくれるようにとたのんだ。とりわけ、海上のメリー号に、関係のある漂流物について、
細心の注意をはらって見つけてくれるようにと依頼した。 「やあ、海上捜査ならばわた....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
―因に海賊王デルマは、かつて日 本にも上陸したることありと伝う。 彼は大胆にして
細心、経綸に富むと 共に機械に趣味を有し、よく六千人 の部下を統御せり。また彼の....
「金属人間」より 著者:海野十三
事件がおこり、新聞やラジオの大きなニュースとして報道されるだろう。諸君は、それに
細心《さいしん》の注意をはらっていなくてはならない。これは常識をこえたあやしい出....
「恐竜島」より 著者:海野十三
おーい、隊長。ロープでも下ろしてやろうかね」 ケンは、がむしゃらのようでいて、
細心《さいしん》であり、親切であった。 下では、伯爵が何かいったが、玉太郎には....
「火薬船」より 著者:海野十三
をはたし、ほかからうたがいの眼をむけられないためであった。まさか彼は、そのような
細心の注意が、もはや無駄だとは知らなかった。 警部モロは、ビールがすきであった....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
友だったけれど、二人の性格は全くあべこべだった。戸川中尉が飛行将校にもってこいの
細心で沈着な武人であるのに対し、六条の方はその綽名からでも容易に察せられるごとく....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ました。さすが大英帝国の機械だけあります。――はあ、はあ、承知いたしました。なお
細心の注意をおこたらず、身命を賭して、エンジンをおあずかりいたします。どうか御安....
「カメラに関する覚え書」より 著者:伊丹万作
、レンズおよびフィルターの選択、ピントに関する考慮と測定、それに付随するあらゆる
細心の注意、画面の調子に関するくふう、セット・小道具・衣裳・俳優の肉体などあらゆ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
は何枚も何枚も下画を描いたので、死後の筐底に残った無数の下画や粉本を見ても平素の
細心の尋常でなかったのが解る。椿岳の画は大抵一気呵成であるが、椿岳の一気呵成には....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
」と、しばしば豪語していた。が、興に乗じた気焔の飛沫で豪そうな事をいっても、根が
細心周密な神経質の二葉亭には勝手に原文を抜かしたり変えたりするような不誠実な所為....