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「細片〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

細片の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
粧砂利と言うのがあります。で、この、化粧砂利の下の粗雑な切込砂利に、石英粗面岩の細片を使用した道床が、つまり表面は普通の精選砂利でも、内部が石英粗面岩の切込砂利....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
のも道理。 まず、無名の雪嶺を名づけた、P1峰を越えたのが始め、火箭のように、細片の降りそそぐ氷河口の危難。峰は三十六、七、氷河は無数。まったく、この三月間の....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
短冊形に切った朱|唐紙の小片の一端から前歯で約数平方ミリメートルぐらいの面積の細片を噛み切り、それを舌の尖端に載っけたのを、右の拇指の爪の上端に近い部分に移し....
道標」より 著者:宮本百合子
無智と野蛮の中に生を浪費していた人民の中から、「非凡、善、不屈、美と名づけられる細片」をあつめ描きだした、と解説は感動をこめて云っているのだった。 その展覧会....
旅愁」より 著者:横光利一
に顕れる六華のような端正な開きをし、閉ったかと思うと延び、廻転しながらも捻じれ、細片になっては綜合され、遅滞もなければ早急さもないある一定の、ことりことりという....
十二支考」より 著者:南方熊楠
々動き廻り切り口と切り口と逢わば継ぎ合うて蘇る。それ故蛇を殺すにはなるべく多くの細片に切り※《きざ》めばことごとく継ぎ合うに時が掛かる、その内に日が没《い》るか....
マクシム・ゴーリキイの人及び芸術」より 著者:宮本百合子
イは魅力を失った。「非凡、善、不屈、美と名づけられるべきすべての小さな、珍らしい細片」をじかに人々のうちからあつめたい欲望に刺戟されて、再び放浪の旅に出た。 ....
作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
ずとしてしかせしならんが如く見ゆ。 第三項 屋内のここかしこに不思議なる金属の細片の小さき山。あるものはぜんまいの如く、あるものは精微なる歯車の形せり。これ等....
古傷」より 著者:蘭郁二郎
ように嗤うのである。 『バカ』 力一杯コップを叩き落した。コップは石畳に砕け、細片はギラギラと鋭角的な光を投げて転がった。……ころんころんころんと部屋の隅まで....
現代美学の危機と映画理論」より 著者:中井正一
ある。 フッサール、ハイデッガー学説の美学への示唆は、すでに時間の中に寸断され細片化された自我が、宇宙的本質の中で如何なる現象としてあるかを記述し解釈しようと....
金狼」より 著者:久生十蘭
、はじめて久我と逢った朝のことを、いつも、こころ楽しく思いだす。いろいろな記憶の細片《デブリ》……。とりわけて、特高刑事だと明されたときの、強烈な印象を思いかえ....
誤った鑑定」より 著者:小酒井不木
ことに仕組みました。その実、馬の毛では所要の目的は達せられないのです。即ち針毛の細片ならば消化管に潰瘍を作って死因となることが出来ますが、馬の毛は却って消化液の....
犠牲者」より 著者:平林初之輔
思い出、未来に対するかずかずの希望、現在の生活の満足さ、果報さ――こうした思想の細片が、一つ一つ歓喜の詩となって、彼の頭の中で、最も非現実的な、お伽噺の中でのみ....
二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
彼が孜々《しし》として励んだ、ある偉大なる精神の仕事の途上に撒かれた、その一部の細片にすぎない」 *155 僕にも、最初に進軍ラッパがなかったわけで....