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細雨
「細雨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
細雨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が作られていた。その仮橋から何者かが飛び込んだらしいのである。 夜は暗く、殊に
細雨《こさめ》が降っている。一方には橋の修繕工事用の足場が高く組まれている。それ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ちで、五月雨《さみだれ》の降り残りが此の月にまでこぼれ出して、煙《けむ》のような
細雨《こさめ》が毎日しとしとと降りつづいた。うすら寒い日も毎日つづいた。半七もす....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
挨拶ながら私が赤坂の家をたずねたのは、あくる日のゆう方で、六月なかばの梅雨らしい
細雨がしとしとと降っていた。襟に落ちる雨だれに首をすくめながら、入口の格子をあけ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
うに飛んで行くくらいである。 しかも其の時は二百十日前後の天候不穏、風まじりの
細雨の飛ぶ暗い夜であるから、午後七、八時を過ぎるとほとんど人通りがない。わたしは....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
は、十月ももう終りに近い日の午後五時頃であった。その日は朝から陰っていて、霧だか
細雨だか判らないものが時どきに山の上から降って来て、山ふところの宿は急に冬の寒さ....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
しめた。甘粕隊は遠く南方小森に於て妻女山から来るべき敵に備えた。時に川中島は前夜
細雨があったためか、一寸先もわからぬ濃霧である。 『川中島五度合戦記』に「越後陣....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
ットへいっぱいに詰め込みました。 出発の朝はどんより陰って、なんだか霧のような
細雨が時々に降って来るらしいので、どうしようかと一旦は※躇したのですが、汽車の時....
「倫敦の一夜」より 著者:岡本綺堂
宿を出た。出るときに空を仰ぐと暗い雲はだんだんに倫敦の上を掩って、霧のような冷い
細雨がほろほろと帽子の庇に落ちて来た。部屋へ引返して雨仕度をして出ると、近所の家....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
ありません。」 「それじゃあわたしも一緒に行くが、いいかえ。」 その日も朝から
細雨が降っていたが、暮れ六つごろからやんだ。店口は人出入りが多いので、お峰親子は....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
は凡夫の迷い……。 玉虫 はて、くどう云やるな。お身とわらわとは心が違うぞ。 (
細雨ふりいず、玉虫は空を仰ぐ。) 玉虫 五月の習い、また雨となったか。これ、宗清....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
た。甥は失望していた。私も何だか寂しく感じた。 それから四日ほど過ぎると朝から
細雨が降った。どこやらでからからからという声が聞えた。甥は学校へ行った留守であっ....
「御堀端三題」より 著者:岡本綺堂
のように飛んで行く位である。 しかもその時は二百十日前後の天候不穏、風まじりの
細雨の飛ぶ暗い夜であるから、午後七、八時を過ぎると殆ど人通りがない。私は重い雨傘....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
嬉しいが、扨其先に種々の困難が横わっていた。路は屡々記す通りの難所である、加之も
細雨ふる暗夜である。不知案内の女が暗夜に此の難所を越えて、恙なく里へ出られるであ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
最中に頭上より海水を浴びせられ、食堂の一騒動を醸せるも、長旅の一興なり。終日斜風
細雨、波高く船動き、ことに日曜なれば遊技を弄するものなく、あるいは読書し、あるい....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
蕭条たる気が犇々と身に応えてくる。不図行手を眺めると、傍らの林間に白々と濃い煙が
細雨の中を騰って行く光景に出遭う。炭売りから帰る婦たちが大樹の下などに集って、焚....