紺サージ[語句情報] » 紺サージ

「紺サージ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紺サージの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
という下宿からお構いを蒙って逃げて来たんだから大したもんだ。モウ十一月というのに紺サージの合服と、汽車の中で拾った紅葉材のステッキ一本フラットというんだから蟇口....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
ったり身につけている。胸の肉は釦の筋に竪の谷を拵えるほどむっちり盛り上っている。紺サージの布地を通して何ものかを尋ね迫りつつ尋ねあぐんでいる心臓の無駄な喘ぎを感....
暴風雨に終わった一日」より 著者:松本泰
た帰途、上海《シャンハイ》の河岸の公園を伊東と宝沢は肩を並べて歩いていた。伊東の紺サージの洋服にはミッドランドの若葉の匂《にお》いが寂しく染み込んでいた。彼の帰....
」より 著者:宮本百合子
浮気は小さい。私なんぞは人間は浮気に出来ているものだと思ってますね」 すると、紺サージの洋服をつけ、後で丸めた髪を白セルロイドの大きなお下髪止めでとめた瘠せて....
海流」より 著者:宮本百合子
、彼には紅茶とトウストが出された。そして、初めは宏子が白いブラウズの上からつった紺サージのスカアトをひろげて、とんび足に坐って自分の茶碗をかきまわしている前で、....
粗末な花束」より 著者:宮本百合子
情けなそうに何か云っている。少女は十一二で際立って美しい素直な金髪を持っていた。紺サージの水兵帽からこぼれたおかっぱが、優美に、白く滑らかな頬にかかっている。男....
一九二三年冬」より 著者:宮本百合子
わけ、うしろでまるめるはよいが、白いゴムに光る碧石が入った大きなお下げどめをし、紺サージの洋服に水色毛糸帽同色リボンつきといういでたち。顔に縦じわ非常に多く、す....
一九二七年春より」より 著者:宮本百合子
れに対する学生のデスポンデント 上野――黒磯 氏家から女学生のった。紺サージの制服、緑に白線の入ったバンド 安積的口調 十二日に旅行アルラシ 東....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
すいご用だわ。お望みのように、してあげてよ」 サト子が玄関へはいろうとすると、紺サージの背広を重っ苦しく着こんだ中村吉右衛門が、脇間の薄暗いところで婆やとなに....
肌色の月」より 著者:久生十蘭
るのが見えた。 「やってきた」 芝生の間の砂利道で車がとまると、お揃いのように紺サージの背広を着た男が二人と官服の警官が一人、左右のドアをあけ、職業的とでもい....
日蔭の街」より 著者:松本泰
えた。思切って電灯のスイッチを捻った瞬間、思わず声を挙げて後へ飛退いた。そこには紺サージの服を着た男が、仰向に椅子に凭《もた》れたまま、ダラリと四肢《てあし》を....
P丘の殺人事件」より 著者:松本泰
すから、ちっと休ませてやりましょう」エリスは同情《おもいやり》深い調子でいった。紺サージの着物に、紅い柘榴《ざくろ》石の頸飾りをした彼女のスッキリした姿は、どう....