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終い
「終い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
終いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
かなかった。疑いは妙に広岡の方にかかって行った。赤坊を殺したのは笠井だと広岡の始
終いうのは誰でも知っていた。広岡の馬を躓《つまず》かしたのは間接ながら笠井の娘の....
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
人が殺すの活《いか》すのと幾度も大喧嘩《おおげんか》をやった話もあった、それでも
終いには利助から、おれがあやまるから仲直りをしてくろて云い出し誰れの世話にもなら....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
を繕《つくろ》うと云う様な心持は極めて少なかった。僕と民子との関係も、この位でお
終いになったならば、十年忘れられないというほどにはならなかっただろうに。 親と....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
官隊は、もう身近かに迫っている。これで捕えられれば、四の五のはない。なにもかもお
終いだ。 「脱走!」 そのときの僕の顔色は、紙のように褪せていたろうと思う。も....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
、それどころではない、帆村探偵は、直ぐ鼻の先で演じられていた殺人事件に、始めから
終いまで一向気がつかなかったのだというのだから口惜しがるのも全く無理ではなかった....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
うか言うまいかと、鳥渡考えたのち「こう世間が不景気で萎びちゃっちゃあ、何もかもお
終いだナ」 「また、いい日が廻ってきますよ、あなた」お妻は、夫の商談がうまく行か....
「蠅男」より 著者:海野十三
ろにつづいているのは、男枕を二つ接ぎあわせたようなブカブカした肉魂。――それでお
終いだった。 首と細い胴の一部だけの人間? それでも、その人間は生きているの....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
つけたのでした。その儘放って置けば、あの怪人や化物は何をするか判らないのです。お
終いには東京の方へ飛んでいって空襲よりもなお恐ろしい惨禍を撒きちらすかも知れませ....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
の外へ出て、後ろの方に立って人の事で心配しているうちに、博奕はずんずん進行してお
終いになる。それから彼は未練らしく土穀祠に帰り、翌日は眼のふちを腫らしながら仕事....
「明日」より 著者:井上紅梅
たり眺めたり、何がどうあろうとも蓋することを承知しない。王九媽達は面倒臭くなり、
終いにはむっとして、棺桶の側から彼女を一思いに引剥がしたから、そのお蔭でようやく....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
き、燗酒がすぐでも間に合うようになっている。仕事をする人達は正午の休みや夕方の手
終いにいちいち四文銭を出しては茶碗酒を一杯買い、櫃台に靠れて熱燗の立飲みをする。....
「白光」より 著者:井上紅梅
異様な陣立に排列され、遂にだんだん減少してぼんやりとして来た。 「今度もこれでお
終い」 彼はびっくりして跳び上った。明らかに耳の側で話しているのである。振返っ....
「瘤」より 著者:犬田卯
と酒、それから内務省へ行って帰った村長から、陳情団員の笑話など聞かされてそれでお
終いであった。議事といえば村社修復後の跡始末――木材や竹切がまだ残っている、あい....
「米」より 著者:犬田卯
って来てくれねえんだから……俺らには……」 「それこそ大きなお世話だ。」お常はお
終いの一文句が自分にあてつけられたものと思って鋭く言いかえした。「汝ら、そんな意....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
れてしまうのかと思うと、百合子が可哀想でなりません。あんな人に附き纏われちゃあお
終いですからね、とても執念深くって――」 そこへ一人の刑事が入って来て、 「江....