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終える
「終える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
終えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
が始めから一人で今も生きている事だ」と書いてのけた。そして私の万年筆がそれを書き
終えるか終えないに、私はすぐお前たちの事を思った。私の心は悪事でも働いたように痛....
「星座」より 著者:有島武郎
。清逸は一種の親しみを純次に感じて、
「もうよくなった。さあ帰ろう。お前は仕事が
終えるとずいぶん疲れるだろうな」
といってやった。
「あたりまえよ」
純次の....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
できるのだろう。生まれから言っても、今までの運命から言っても、おれは漁夫で一生を
終えるのが相当しているらしい。Kもあの気むずかしい父のもとで調剤師で一生を送る決....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
回って見たりして、わずかに心のもしゃくしゃを紛らかした。 四 夕飯が
終えるとお祖母さんは風気だとかで寝てしもた。背戸山の竹に雨の音がする。しずくの音....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
たく姉さんのいうことがほんとうです、そりゃそうと孫はどうしました」 「あァ秋蚕が
終えると帰ってくるつもり。こりゃまァ話ばかりしててもどもなんね。お前まァ着物でも....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
なような気がしたので、それを消して、「浅間新十郎」と堂々、署名をした。それを書き
終えると、頁を千切って、小さく折り畳んだ。そして枕許に抛りだしてあったマスミのハ....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
目にはとうとう外出して調べ始めました。そして夕方に帰って来て仕出しの料理で晩飯を
終えると、早速吉岡ともう一人の調査員を捕えて、こんな事を言ったんです。 「君達、....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
して僕は毎朝起きるとそれを声高く朗読することにきめていた。 虎公は高等小学校を
終えるとすぐ北海道へ小僧にやられた。そしてその数年後にまったく消息が絶えてしまっ....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
は小娘ながらも臆した人の偽りをいうときの眼の遣り所に肖ている。かの女はこの所作を
終えると、自分のしたことを自分で興がるように、また抹殺するように、きゃらきゃらと....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
た。一座は、ここでほっと一息いれた。 机博士は、戸倉老人の腕に、強心剤の注射を
終えると、自分の指先をアルコールのついた脱脂綿で拭って、それからぎゅッとくびを延....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
それから今朝は六時すこし廻ったころに、この邸へ着きましてございます」 そういい
終えるとお末は丁寧にお辞儀をした。 検事たちは愕いた。この女は昼間はこの邸で働....
「火星兵団」より 著者:海野十三
なるもんですから困ります」
「何だ。手のかかることだね。よろしい、では、君が喋り
終えるまで、こっちは、一言も喋らない。だが、もっと要領よく、そうしてもっと早く喋....
「怪塔王」より 著者:海野十三
ていましたが、 「まあ、この通風筒の鉄板などをもってかえって、できるだけ早く調を
終えることにしましょう。じゃあもう帰りますよ」 「博士、もうおかえりですか」 「....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
ことを研究していたために、当時の私は知能の発育がよほど遅れたようであつた。中学を
終えると、すぐに私は家庭の事情で樺太へ行かねばならなくなつた。 その途次東京に....
「こがらし」より 著者:岩本素白
の葬儀を思出した。その古い物語を読んだのは、深く基督教の匂いを湛えた或る中学校を
終える頃であったが、その頃でもまだ/\東京のこがらしは烈しいものであった。それか....