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終始
「終始〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
終始の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
えることを知らない怒だった。
その後《ご》の伝吉の一生はほとんどこの怒のために
終始したと云ってもよい。伝吉は父を葬《ほうむ》った後《のち》、長窪《ながくぼ》に....
「河童」より 著者:芥川竜之介
きょう》我々の生活はこういう循環論法を脱することはできない。――すなわち不合理に
終始している。
×
ボオドレエルは白痴になった後《のち》、彼の....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ば》が許されるとすれば、気の毒なくらい真率であった。従って、彼は彼等に対しても、
終始寛容の態度を改めなかった。まして、復讐の事の成った今になって見れば、彼等に与....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
いた。中学を卒業して以来、彼には何日《なんにち》と云う記憶はあっても、何曜日かは
終始忘れている。――それがふと彼の心に、寂しい気もちを与えたのだった。その上もう....
「路上」より 著者:芥川竜之介
からまた彼等が代表する世間なるものも思い出した。彼の眼に映じた一般世間は、実行に
終始するのが特色だった。あるいは実行するのに先立って、信じてかかるのが特色だった....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
になり得るのは白痴にのみ与えられた特権である。如何なる楽天主義者にもせよ、笑顔に
終始することの出来るものではない。いや、もし真に楽天主義なるものの存在を許し得る....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
みを意識してはいなかった。少くとも、最後の一刻を除いて、修理に対する彼の忠心は、
終始変らないものと信じていた。「君《きみ》君為《きみた》らざれば、臣臣為らず」―....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
め》きて、あまたの神と仏とは心々に祷《いの》られき。なおかの美人はこの騒擾の間、
終始御者の様子を打ち瞶《まも》りたり。 かくて六箇《むつ》の車輪はあたかも同一....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
文を押しつけることを避けるためである。演技のような微妙な仕事を指導するためには、
終始おのれを客観的な位置にばかり据えていたのではいかに熱心に看視していてもどこか....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
、しかも皆さんにお聞かせしようと日常研究し用意しているものでないから、どんな話に
終始するか予めお約束は出来ない。 ◇ 人はよく私を江戸趣味の人間....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
とは、されていないのである。 もちろん、純理念としては知の問題は知の問題として
終始すべきであつて、そこに善悪の観念の交叉する余地はないはずである。しかし、有機....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
に客冬刊行の或る雑誌にも掲載したるよし(栗本鋤雲翁は自から旧幕の遺臣を以て居り、
終始その節を変ぜざりし人にして、福沢先生と相識れり。つねに勝氏の行為に不平を懐き....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
乾からびたような顔つきをした老紳士がいて、眉が眼の上に張りだしていたが、この人は
終始、重々しい、むしろ厳しい顔をしていた。そして、ときどき腕を組み、うつむいて、....
「西航日録」より 著者:井上円了
洋の天地に青天白日をめぐらすことを期せざるべからず。願わくは、教育に従事するもの
終始一貫、この心をもって心とし、学生たるもの造次顛沛の間も、この心を失わざらんこ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
のである。大王終世の事業はシュレージエン問題の解決に在ったと見るも過言ではない。
終始一貫せる彼の方針、あらゆる困難を排除して目的を確保した不撓不屈の精神、これが....