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終宵
「終宵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
終宵の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
」と答えました。私はどうしても寝つかれない兄さんの耳に、さかんな鼾声《いびき》を
終宵《よもすがら》聞かせたのだそうです。
その日は夜明から小雨《こさめ》が降っ....
「家」より 著者:島崎藤村
いるなら、見ておやりよ」 「私だって疲れてるじゃ有りませんか――ああ、復た今夜も
終宵泣かれるのかなあ。さあ、お黙りお黙り――母さんはもう知らないよ、そんなに泣く....
「今戸心中」より 著者:広津柳浪
一年ばかり前、ちょうど平田が来初めたころのことである。吉里はとかく善吉を冷遇し、
終宵《いちや》まったく顔を見せない時が多かッたくらいだッた。それにも構わず善吉は....
「申訳」より 著者:永井荷風
ヲ窺ヒ而シテ後其ノ席ニ就カザル可カラズ。然ラザレバ徒ニ纏頭ヲ他隊ノ婢ニ投ジテ而モ
終宵阿嬌ノ玉顔ヲ拝スルノ機ヲ失スト云。是ニ於テヤ酒楼ノ情況宛然妓院ニ似タルモノア....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
家 大至急の手紙には如何《いか》なる事を言来《いいきた》りけん、大原はその夜|
終宵《よもすがら》懊悩《おうのう》して寝《ね》もやらず、翌日も心の苦《くるし》み....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
度に上がれり。夜に入り、二回小汽船に逢遇し、互いに汽笛を鳴らして過ぐ。今夜もまた
終宵太陽の没することなし。夜半には天全く晴れ渡り、日光明朗、自然の美を現し、その....