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終幕
「終幕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
終幕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
黄色い円窓から、人々の頭上にさわやかなる風のシャワーを浴びせかけた。 音楽浴の
終幕だった。 螺旋椅子の上の住民たちは、悪夢から覚めたように天井を仰ぎ、そして....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
歌劇に出演中だったが、彼女の持ち役である南海の女神はその途中で演技が済み、あとは
終幕が開くので彼女を除く一座は総出の形となって、ひとりジュリアは楽屋に帰ることが....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
パに於けるドイツ軍の対米英ソ戦争は終ったのだと思う。 日独伊防共協定も、これが
終幕である。あとは大東亜戦争のみが残り、そして継続することは確かである。 但し....
「海底大陸」より 著者:海野十三
ー号を中にはさみ、ラスキン大尉指揮の英空軍と海底超人の群れとのにらみあいは、もう
終幕になったわけではなかったのである。 奇襲的に催涙液をはだかの上からまかれた....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に焼直したのを口吟んでから、彼は一つ大きな伸びをして立ち上った。
「サア熊城君、
終幕の緞帳を上げてくれ給え。恐らく今度の幕が、僕の戴冠式になるだろうからね」
....
「断層顔」より 著者:海野十三
い。じゃあ郵便でそっちへお送りしましょう」 老探偵の合図によって、テレビ会見は
終幕となった。器械をしまって、足音を忍んで、アパートの前を立ちのいた。 下りの....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
「わが蠅族の地球だ。世界だ。はっはっはっはっ。人間なんかもう一人もいやしない」
終幕の音楽。 「アナウンサーです。劇『原子弾戦争《げんしだんせんそう》の果《はて....
「金属人間」より 著者:海野十三
したがね、あっしはよくみませんので。へへへへ」 茶釜小屋《ちゃがまごや》の
終幕《しゅうまく》 その夜、小杉二郎少年が蜂矢のところをたずねてきたので、ひる....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
お邸の垣根をこえて、自分の家の庭へ、とびこんだのであった。 人間地下戦車事件の
終幕だった。 人間地下戦車が、お隣りの鬼河原邸の泉水《せんすい》をこわしてしま....
「颱風雑俎」より 著者:寺田寅彦
作業を遂行した。それからもう一つには、この年に相踵いで起った色々の災害レビューの
終幕における花形として出現したために、その「災害価値」が一層高められたようである....
「選挙殺人事件」より 著者:坂口安吾
った。三高吉太郎の得票一三二。百を越したのはアッパレというべきだ。まさに事もなく
終幕となった。 そのとき起ったのが小学校の縁の下から発見された首ナシ死体事件で....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
を今さらつけたしてどうするつもりか。まさかオペラのフィナーレの手をエンマの庁でも
終幕の挨拶に用いているわけでもあるまい。 他の一同も、今さらなんのこッた、とい....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
、かならず調印式まで漕ぎつけるだろう……これだけの大きな戦争をした日本人が冷静に
終幕《フィナアレ》にしたら、日本人の別な一面を理解させるモーメントになるだろう。....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
、高調し、白色光の光芒はあたりに異様に充ち溢れて…… 静かに幕―― 第五幕(
終幕) 東国のある丘陵地帯にある石ノ上ノ綾麻呂の任地。約二ヶ月後の七月初旬。 幕....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
気遣われていたが、突如原子爆弾の登場によってクライマックスに達し、ここににわかに
終幕となったのである。たしかに厳粛な一瞬である。私は放射能雲のあやしく輝いて低迷....