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終日
「終日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
終日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
》だった。何か副官の一人と話しながら、時々番付を開いて見ている、――その眼にも始
終日光のように、人懐《ひとなつ》こい微笑が浮んでいた。
その内に定刻の一時にな....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
縄を綯《よ》れ」といわれた。それからまた仕方がない、伯父さんのいうことであるから
終日働いてあとで本を読んだ、……そういう苦学をした人であります。どうして自分の生....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
あって、あたかもその雛形のごとく、灰色の野山の天に、寂寞として見えた―― 風は
終日無かった。蒸々と悪気の籠った暑さは、そこらの田舎屋を圧するようで、空気は大磐....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
い。鋼鉄を水で溶かしたような海面が、ややもすると角立った波をあげて、岸を目がけて
終日攻めよせているだろう。それにしてももう老いさらぼえた雪道を器用に拾いながら、....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
るもので、われ等としては全能力を挙げて、その刷新と改善とに当らねばならぬ。 問『
終日労役に服した後で、幽明交通を試むるのも、決して理想的でないと思うが、しかし日....
「頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
初年わたしは当地で某中学の校長を勤めていたが、同僚には嫌われ、官僚には警戒され、
終日|氷倉《こおりぐら》の中に坐っているような、刑場の側《そば》に立っているよう....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
うにして、一言いうと、 「角兵衛が、ははは、そうじゃそうで。」 死骸はその日|
終日見当らなかったが、翌日しらしらあけの引潮に、去年の夏、庵室の客が溺れたとおな....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
まだ求めもしないのに、施しをした。 日曜だというと、二人は教会の入口へ行って、
終日そこに佇んでいた。そして、出たり這入ったりする人を眺めては、その数知れぬ顔の....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
っかり開け放ちます。画室には朝の清浄な空気が充ち満ちます。そこでピタリと閉めて、
終日仕事をいたしました。早朝は虫も木の葉の陰に止まって眠っており、塵、埃も静まっ....
「迷信解」より 著者:井上円了
、二人の老僕つねにこれに住せり。ある日、紳士五、六人、酒肴を携えきたり楼を借りて
終日歓を尽くし、夜に入りて帰るに臨み、僕に告げて曰く、『些少ながら、席料の代わり....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
ャリヤの障碍となった。 二葉亭と交際した二十年間、或る時は殆んど毎日往来した。
終日あるいは夜を徹して語り明かした事もあった。が、お互いの打明けた談合の外は話題....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
昔時は、ヤソ教は毎日礼拝を行い、その時間またいたって長く、日曜のごときはほとんど
終日礼拝を行いしが、今日はしからず、毎日曜に限り礼拝、説教あるのみ。その時間もま....
「西航日録」より 著者:井上円了
十一月二十五日天明、呉淞抜錨。シナ大陸に沿って南進し、二十六日台湾海峡に入る。
終日曇晴、風波やや高し。二十七日快晴、暑気にわかに加わる。一昨日まで毎室暖炉を待....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
社内に県下の共進会ありというを聞きたれども、上陸せず。 三日(神武天皇祭)、雨
終日やまず、かつ寒し。わが軍艦五隻入港す。 四日、晴れ。北風強くして冬のごとし....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
れた。真新しい菅笠の真紅なくけ紐をふくらんだ顎にクツキリと食いこませたその姿が、
終日家裏の苗代で動いていた。 「源治は仕合せ者だよ、あんないい嫁をもつてな」 ....