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終曲
「終曲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
終曲の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
がために、低音の絃のみが高く圧したように響き、その感じが、天国の栄光に終る荘厳な
終曲と云うよりも、むしろ地獄から響いてくる、恐怖と嘆きの呻きとでも云いたいような....
「マクシム・ゴーリキイの発展の特質」より 著者:宮本百合子
解によって六十八年の全蘊蓄の価値を傾けて民衆の歓びとなったマクシム・ゴーリキイの
終曲《フィナレ》の美しさに思い到らせるのである。 「結構さん」と、泣くことのきら....
「平和への荷役」より 著者:宮本百合子
ばかりだった。政府の大本営発表を信じたばかりだった。そして、政府が表明した勝利の
終曲と、その勝利によってもたらされたと教えこまれた日本の世界一等国への参加をよろ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
なああいう強烈な痙攣の経験があることは実に実に面白いところです。ワグナーなんかは
終曲をもっと俗っぽく扱って、ヴェートーヴェンのように序曲から高め高めつよい人間と....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
柱(骨組)を建物の外側に出したまま歳月を経た建築物のようなものですから。テーマは
終曲を奏していないのですもの、本質的にね。おっしゃっていたとおりです。しかしそれ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ディア、フィニタという文句は、パリアッチョ(道化師)という極めて近代風なオペラの
終曲の主人公のアリアです。妻に裏切られた正直なパリアッチョが、劇中劇で妻を殺して....
「初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
グラムの名優達の名演技を見て緊張し感嘆し疲労するのは、少なくも今日の弛緩の半日の
終曲には適しないと思ったので、すぐに劇場を出て通りかかった車に乗った。車はいつも....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
一七九二年秋から翌九三年暮までの一年数箇月間、革命の真最中のことであり、荒れ狂う
終曲であると共に、全曲の最高潮である。 第三巻中の医師マネットの手記によって物....
「色彩映画のシナリオ」より 著者:中井正一
にいられなかった。 これまでリフレインとしてあった帆の赤さが、ここで、みごとな
終曲の尾を引いて、一つの典型的な色彩作曲のみごとな創造を試みているといえるのであ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
つつ改めて宝剣を献じて亡父の志を果す一条の如き、大塚匠作父子の孤忠および芳流閣の
終曲として余情|嫋々たる限りなき詩趣がある。また例えば金光寺門前の狐竜の化石(第....
「帝大聖書研究会終講の辞」より 著者:矢内原忠雄
に二世紀|経ってイザヤ書が今日の形に編輯せられた時、その編輯者がイザヤ書預言の最
終曲として此処に収載したものである。イザヤ書の中にはイザヤの言は勿論であるが、彼....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
注――その時ベートーヴェンは生涯の最後の作品(弦四重奏曲、作品第百三十番の第二の
終曲)を書いているのだとは自ら知らなかった。当時彼はドーナウ河畔クレムスの近くに....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
北から一つの勝利を作り上げた。『第五交響曲』や『第九交響曲』の、あの心を酔わせる
終曲こそは、打ち倒された自分自身の身体の上に、勝ち誇って光明に向かって立ち上がる....