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終業
「終業〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
終業の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
るんだろう」
と一人の男生がその騒がしさの中から中腰に立ち上って柿江に尋ねた。
終業の拍子木が鳴った。
「いや死んでしまったんだ」
大半の生徒は拍子木の声に勇....
「セメント樽の中の手紙」より 著者:葉山嘉樹
ばならなかった。
ミキサーはやがて空廻《からまわ》りを始めた。コンクリがすんで
終業時間になった。
彼は、ミキサーに引いてあるゴムホースの水で、一《ひ》と先《....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
とがなかった。上役も彼を見ると、なるべく避けて歩いてるように見えた。彼は、朝から
終業まで、熱心に旋盤にかじりついて、仕事をした。そして、不思議なことは、彼は、特....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
く)また京浜通過者の切符も同様なり。省線電車も売らぬ。今夜は省線電車は十時半にて
終業し、約一時間半くりあげる。 ◯高粱の入りし米ながら、漸く今日配給となる。(十....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
\こすった。「ま、それでもいゝだろう……!」――そして彼はフン、と鼻をならした。
終業のボーが鳴ると、皆は仕事場から一散に洗面所へ馳け出した。狭いコンクリートの壁....
「茨海小学校」より 著者:宮沢賢治
いうのでした。けれどもそれを私は口に出しては云いませんでした。この時丁度、向うで
終業のベルが鳴りましたので、先生は、 「今日はここまでにして置きます。」と云って....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
中から目ぼしい若者を養子に抜いてゆくのであろう。だが、大番頭の息子も小僧と一緒に
終業するのかどうかそれは知らない。あたしの知っている大番頭さんの娘は、おあぐさん....
「いとこ同志」より 著者:宮本百合子
っても、とうとうお終いに勝ったのは、芳子さんの親切、よい心掛でした。 二年目の
終業式がすんだ日、お家に帰ると政子さんは袴をはいたまま、芳子さんのお部屋に来まし....
「小さき花にも」より 著者:豊島与志雄
もある。私の家では、却ってそれを利用している。朝は眼覚時計の代りとなるし、夕方は
終業の鐘の代りとなる。 お父さんが、中風でぶらぶらしていらっしゃるものだから、....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
モーションだからダメで、会社へでていたころは二時間三時間、五時間六時間おくれる。
終業の三十分前ぐらいに出勤して、今ごろ出てくるなら休みなさいなどと皮肉られても、....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
一時開店』の札をだします。いえ、札を裏がえしにするんです。私たちがねる前に『本日
終業』の方をだしておきますから、その裏を返すと『十一時開店』がでるのです。それか....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
「教諭心得宝鏡方俊、願ニ依リ本職ヲ免ズ」とあり、もう一方には、「明○○日第一学期
終業式後宝鏡先生ノ送別式ヲ行ウ」とあった。次郎は、それを見た瞬間、妙に胸をしぼら....
「田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
その間に書いたものが、稲舟の文壇|初舞台《デビュー》といってもよい小説「医学
終業」だ。 だが、錦子が煩悶《はんもん》に煩悶した三、四年の間を、美妙と留女と....
「盗難」より 著者:佐藤垢石
れのできごとであった。第二学期の試験が済んで、暮れの二十五日の朝、みゑ子は学校の
終業式へ出て行った。ところで、みゑ子はいつも学校がすむと道草食うことなどなく直ぐ....
「白い道」より 著者:徳永直
通用門がみえだすあたりから足どりがかわった。門はまだ閉まっているし、時計台の針は
終業の五時に少し間がある。ド・ド・ド……。まだ作業中のどの建物からもあらい呼吸づ....