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終焉
「終焉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
終焉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
ヶ原では、五人の周囲に人影もなかった。 かくして、一種の悲壮美が、怪教馬霊教の
終焉《しゅうえん》を飾ったのだったが、その五人の一族は、それぞれに特異な宿命を背....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
くの如く、余は幹枝に天女の一生を描かせ、一年有余の陶酔を貪りたるものなれば、その
終焉の様を記憶すべく、坐魚礁研究所を失楽園とは名付けたるものなり―― 法水が読....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
よろこばしき言をいったものの、しおしおとした父の姿にはもはや死の影を宿し、人生の
終焉老いの悲惨ということをつつみ得なかった。そうと心づいた予は実に父の生前石塔を....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ているでしょうか。たとえば、ここに病理的な潜在物があって、それが、発生から生命の
終焉に至るまで、生育もしなければ減衰もせず、常に不変な形を保っているものと云えば....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
魔の尿溜」といわれる地帯だ。そこには、まだ人類が一人として見たことのない、巨獣の
終焉地「知られざる|森の墓場」が、あると伝えられている。 ではここで、この謎の....
「海底都市」より 著者:海野十三
すこし以前に終ったのではなかろうか。しかもそれはあの海底都市ではなく、他の場所で
終焉《しゅうえん》を迎えたのではなかろうか。それをカビ博士は知っているが、僕の妻....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
えはこうなんだ。もしも平衡点離脱に成功しなかったら、本艇の乗員三百九十名の生命は
終焉だ。そればかりではない。折角の計画が挫折することは人類にとって一大損失だ。迫....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
文明君から島木さんの訃を報じて貰った。それから又「改造」に載った斎藤さんの「赤彦
終焉記」を読んだ。斎藤さんは島木さんの末期を大往生だったと言っている。しかし当時....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
けにはお筆の業そのもののような生気がとどまっている。けれども、それ以外には、はや
終焉に近い、衰滅の色が現れていた。歯が一本残らず抜け落ちているので、口を結ぶと、....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
を踏んで猟虎入江を過ぎ、コマンドル川の上流に達したとき、その河口に、ベーリングの
終焉地があるのを知った。 ところが、ベーリングの埋葬地点に達したとき、それがあ....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
豊多摩刑務所で送っているのである。「欧航組」は、こうして壊滅した。けれども、その
終焉を、いと朦朧とさせているのは、一つの殺人に、下手人が二人現われたということで....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
ーギニアのフインシャハから四千キロもはなれた、かの「宝島」の著者スチーヴンスンの
終焉地、Vailima 島まで独木舟旅行を企てたのである。両舷に、長桁のついた、....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
は死の瞬間までも世間を茶にする用意を失わなかったが、一人の友人の見舞うものもない
終焉は極めて淋しかった。それほど病気が重くなってるとは知らなかったので、最一度尋....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
った少女のように浮き浮きと噪いでいた。 露都行の抱負・入露後の消息、発病・帰朝・
終焉・葬儀 こう決定してからは一日も早く文学と終始した不愉快な日本の生活から遁....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
』を撰ばれた頃は河内国に住居された。しかしその後の御事蹟は不明で、薨去の年月も御
終焉の地も、いずれもはっきりは判らない。大体は元中二年薨去、七十三、四歳位であら....