絃楽[語句情報] »
絃楽
「絃楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
絃楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
の旅の心は濃くなって来た。暇さえあれば岸本は自分の下宿を出て、戦時の催しらしい管
絃楽《かんげんがく》の合奏を聴《き》くためにソルボンヌの大講堂に上り、巴里の最も....
「アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
光線にさえ痛みを感じた。彼に恐怖の念を起させない音はある特殊な音ばかりで、それは
絃楽器《げんがっき》の音であった。 私には彼がある異常な種類の恐怖の虜《とりこ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いもよらぬ美しい絃の音が耳膜を揺りはじめた。遠く幾つかの壁を隔てた彼方で、四つの
絃楽器は、あるいは荘厳な全絃合奏となり、時としては囁く小川のように、第一提琴がサ....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
いよると、ポケットから取出したのは三十センチくらいの棒である。それはちょうど、管
絃楽団の指揮者が使う指揮棒のようなものだった。 おやおや、あんなものを何にする....
「印象」より 著者:宮本百合子
、気の利いた「犬」の舞台装置とともに、快く目に遺っている。併し、常磐津、長唄、管
絃楽と、能がかりな科白とオペラの合唱のようなものとの混合《コンビネーション》は、....
「暁光」より 著者:宮本百合子
た方がいいでしょうねえ。 若し声がよかったら歌を、そうでなかったら何か楽器を、
絃楽の方がいいだろうと思いますが、どんなもんでしょう。 どうしたって、頭の明快....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
茶卓が十一、二列――二、三百ばかり並んでる広間だった。奥に舞台があって、そこに管
絃楽団が控えていた。クリストフのまわりには、薄黒い長い上着をきちっとまとった将校....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。そして非常な努力を払ってから、愉快を感ずるようになった。――(なぜなら、その管
絃楽団は上手《じょうず》だったし、またクリストフは長い間交響曲を聞かないでいたか....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
楽は光に変わっていた。空気と海と土地、太陽の交響曲《シンフォニー》。そしてこの管
絃楽団を、イタリーはなんという先天的技能をもって使役し得てることぞ! 他の国民は....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
、溢れ出した。 美沢の家でも、よくレコードで聞いた馴染の曲だし、しかも渾然たる
絃楽の、その中の一挺のヴァイオリンは、美沢の手で奏でられていると思うと、新子は、....
「魔都」より 著者:久生十蘭
ぎない。この自殺事件を提起《イントロダクション》として、まさに渾然たる犯罪の大管
絃楽《オルケストラ》が演奏され出そうとしているのだが。加十はそんなことは知らない....
「外務大臣の死」より 著者:小酒井不木
喧囂たる状態とは反対に、戸内では順序よく晩餐が終って、やがて舞踏会が開かれた。管
絃楽の響は、さすがに風雨の音を圧迫して歓楽の空気が広いホールの隅から隅に漂った。....
「ニッポン音楽」より 著者:兼常清佐
ネオン、ラジオなどみなニッポンのものであるように、ピアノやヴィオリーネのような管
絃楽の楽器、サキサフォンやヴィラフォンのようなジャズの楽器もみな私共のニッポンの....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
敬虔《けいけん》の心を起さしめるように造られてある。寺の門は宛《さなが》ら西洋管
絃楽の序曲《プレリュード》の如きものである。最初に惣門《そうもん》ありその次に中....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
の営まれた維摩講においてうたわれたもので、終日|大唐楽や高麗楽のような舶来の大管
絃楽の演奏される間にまじって、うたわれたのであった。そして特に琴を弾いた人は、市....