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組む
「組む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
組むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
一蹴りに蹴倒《けたお》された、(再《ふたた》び迸るごとき嘲笑)盗人は静かに両腕を
組むと、おれの姿へ眼をやった。「あの女はどうするつもりだ? 殺すか、それとも助け....
「或る女」より 著者:有島武郎
た。思い入った決心を眉《まゆ》に集めて、日ごろの楽天的な性情にも似ず、運命と取り
組むような真剣な顔つきで大事の結着を待つ木村の顔。母の死をあわれむとも悲しむとも....
「星座」より 著者:有島武郎
のにならない。俺は今リカードの鉄則と取っ組合をしている。
「さてこれからまた取っ
組むかな。
「大事にしろよ。
西山犀川
十月二十五日夜
* ....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
》も見えぬ。 羽織の袖口《そでくち》両方が、胸にぐいと上《あが》るように両腕を
組むと、身体《からだ》に勢《いきおい》を入れて、つかつかと足を運んだ。 軒《の....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
てみたい衝動を幾度も感じながら、女々しさを退けるようにむずかゆい手を腕の所で堅く
組む。 ふとすすけた天井からたれ下がった電球が光を放った。驚いて窓から見るとも....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
た。 向うには、旦那の熊沢が、上下大島の金鎖、あの大々したので、ドカリと胡坐を
組むのであろう。 「お留守ですか。」 宗吉が何となく甘谷に言った。ここにも見え....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
物の上へ直すついでに、目で教えたる葭簀の外。 さっくと削った荒造の仁王尊が、引
組む状の巌続き、海を踏んで突立つ間に、倒に生えかかった竹藪を一叢隔てて、同じ巌の....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
っこいしょ。) がた、がたんと音がする。先生、もう一つの卓子を引立って、猪と取
組むように勢よく持って出ると、お道さんはわけも知らないなりに、椅子を取って手伝い....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
その顔を、はッと伏せる。 「ほほほほ多一さん、貴下、そうむつかしゅうせずと、胡坐
組む気で、杯しなはれ。私かて、丸官はんの傍に居るのやない、この一月は籍のある、富....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
等を制した。栗鼠ばかりでない。あと三個も、補助席二脚へ揉合って乗ると斉しく、肩を
組む、頬を合わせる、耳を引張る、真赤な洲浜形に、鳥打帽を押合って騒いでいたから。....
「多神教」より 著者:泉鏡花
上、口も利かせず、死んだも同様にという事かいの。 お沢 ええ、もう一層(屹と意気
組む)ひと思いに! 巫女 お姫様、お聞きの通りでござります。 媛神 男は? 巫女....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ょうが、こっちは素寒貧で志を女郎に立てて、投げられようが、振られようが、赭熊と取
組む山童の勢いですから、少々薄いのが難だけれど――すなおな髪を、文金で、打上った....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
得ているかして気が強い。 「何を。」 「何じゃな、汝は一体、」と大人は正面に腕を
組む。令夫人はものもいわず衝と後向きになりたまう。後室は声鋭く、 「無法者め!」....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ん相撲……)と、今にも言いやしないか、と思って、ぶるぶるッとしましたよ。あれと取
組むのは当分恐れます。」 ――寺の帰途に、八郎が私とお悦にかく話した。―― ....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
迎した。無産階級解放のため、黙々と働く社会主義者を、勤勉そのもののごとく大地に取
組む農民の姿にナゾらえたもので、私はかくあらねばならぬと念じた。 まことに演説....