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絆創膏
「絆創膏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
絆創膏の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いのちの初夜」より 著者:北条民雄
ごうぜん》としているように見受けられた。崩れかかった重病者の股間に首を突っ込んで
絆創膏《ばんそうこう》を貼っているような時でも、決していやな貌《かお》を見せない....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
った。 口の利けず、耳の聞えない医師は、最後に大きいガーゼをあてて、その周囲を
絆創膏で止めると、遂に一語も発しないで、部屋を出ていった。孫も王も、医師を見送る....
「ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
いでに一つ英語でやってくれ!」 「――同志《タワーリシチ》!」 鼻の頭へヨード
絆創膏の黒い小さい切《きれ》をはりつけた男が叫んだ。 「俺あ云うね、その煙草工場....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
部を二枚重ねて横に三寸程|鋏様のもので截り裂いてあって、そこから注射をした痕は、
絆創膏を貼ってないために、淡い血と淋巴液が襯衣の裏面に粘り付いている。 ◆容貌....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
最も堅固なものにしていた麻の草鞋も、大穴が明いて、棄てるより外はなかった、繃帯、
絆創膏、衣服の修繕の糸や針、そういうものが、人々の手から手に取り交わされた、谷川....
「草藪」より 著者:鷹野つぎ
おかしなひと」 おどろいたことにはその翌朝廊下を通る蛸さんを見ると、額に大きな
絆創膏を貼っていた。皺伸ばしを説明しているのをきいても、私はあまり驚けなかった。....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
たらけさになって榊原さんが、そのお供えの、丁度おなかのでっぱりのところに、小さい
絆創膏を十文字に貼りつけました。上出来の傷のお祝に。そしたら、お供えは俄然生色を....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。「何よりもまず病人の気をいら立たせてはいけません、」と彼は繰り返し言っていた。
絆創膏《ばんそうこう》でガーゼや繃帯《ほうたい》を止める仕方は当時まだ見いだされ....
「擬体」より 著者:豊島与志雄
、道具立てをした。鋭いナイフ……安全剃刀の刄……アドルムの錠剤……オキシフル……
絆創膏……繃帯……。それらのものを室の卓上に揃えた。薬缶に湯を沸かし、洗面器でぬ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
るのである。 その繃帯も、しかし、十日ほどで必要がなくなった。春子は、その日|
絆創膏を貼りながら、いかにも嬉しそうに言った。 「やっと、さばさばしたわね。暑苦....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
さになった。横っ腹にいくつも爆撃の穴があき、あまりひどいのにはカンヴァスの大きな
絆創膏が貼ってある。舳に立った若い水兵さんが、明日降りたらもう永久に乗ることもな....
「日を愛しむ」より 著者:外村繁
かし、不器用な私はマーキュロを妻の肌に垂らし、下着を汚すこともある。髪の毛の上に
絆創膏を貼って、妻の顔をしかめさすこともある。日曜のことであるから娘もいる。若い....
「落日の光景」より 著者:外村繁
い出し、少し不安になって来る。 廊下を男の患者が歩いて来る。その顔面には小さい
絆創膏が数知れず貼ってある。顔色もひどく悪い。廊下を突きあたると、その左側が地階....