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経理
「経理〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
経理の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「前哨」より 著者:黒島伝治
/\とかけずりまわった。 もう暗かった。 五時。――北満の日暮は早やかった。
経理室から配給された太い、白い、不透明なローソクは、棚の端に、二三滴のローを垂ら....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
酬の一部として、牧場内の土地四十余町歩を分与され、これから関家を辞して自家生活の
経理にかゝるのであるが、過去十年関家に尽した創業の労苦の中に得た程の楽は、中々再....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
山木は苦笑いしつ。千々岩が肩ぽんとたたいて「食えン男だ、惜しい事だな、せめて
経理局長ぐらいに!」 「はははは。山木さん、清正の短刀は子供の三尺三寸よりか切れ....
「壊滅の序曲」より 著者:原民喜
片隅で、何か人を寄せつけない頑《かたくな》なものを持っていた。 ……あるとき、
経理部から、暗幕につける環を求めて来たことがある。上田が早速《さっそく》、倉庫か....
「バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
ルナールはタルン県の村を出て学問をうけ、大革命時代には弁護士をやった。後、陸軍の
経理部に入って、世間の血なまぐさい騒ぎと自分の財布とが或る落付きを得た五十一歳の....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
という。料理通は料理人でない如く、能《よ》く人生を味わう芸術家は能《よ》く人生を
経理せんでも差支えはない。 道徳は人生を
経理するに必要だろうけれど、人生の真味....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
見付かりそうです。富雄さんの本が着いて、ようございました。今、杭州の師団司令部の
経理部にいるそうで、危いことがなくて結構だけれども、戦地に於けるこう云う部門は、....
「鶏」より 著者:森鴎外
い。別当には 〔syste'matiquement〕 に発展させた、一種の面白い
経理法があって、それを万事に適用しているのである。鶏を一しょに飼って、生んだ卵を....
「程よい人」より 著者:豊島与志雄
ちに、彼のお礼の気持ちというのも分った。部隊解散の折、莫大な軍需品が或る程度まで
経理部の自由になったので、私は、黒川の家庭が貧しいと聞いていたから、若干量の物資....
「広場のべンチ」より 著者:豊島与志雄
手当とも配当ともつかない金を貰い、勝手な行動をして、会社は休業同様な状態だった。
経理面は岩田一人の手に握られていた。 最近になって、おかしな片言隻語が、下っ端....
「旅だち」より 著者:豊島与志雄
関係にある会社に勤めていました。経済学士で、戦時中動員されて、二年間ばかり陸軍の
経理部の仕事をしたことがありました。性質は温厚で、何等の圭角もなく、同僚と諍いを....
「穴」より 著者:黒島伝治
あった。彼は、無断で私物箱を調べられるというような屈辱には馴れていた。が、聯隊の
経理室から出た俸給以外に紙幣が兵卒の手に這入る道がないことが明瞭であるにも拘らず....
「光は影を」より 著者:岸田国士
、その上、君まで一緒に追い出す結果になつたんでは、僕の顔が立たんよ。君はなるほど
経理の方面はあんまり明るくないようだが、事業家として、着眼に非凡なところがあると....
「三国志」より 著者:吉川英治
て、三軍はそれに応えた。 袁紹は、第二の命として、 「わが弟の袁術は、いささか
経理の才がある。袁術をもって、今日より兵糧の奉行とし、諸将の陣に、兵站の輸送と潤....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
急激に世を悪くし、時人を苦しめたものはない。 さしもの幕府の庫の金塊も、放漫な
経理と、将軍綱吉や、その生母|桂昌院の湯水のごとき浪費とで、近年は涸渇に瀕してき....