経過[語句情報] »
経過
「経過〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
経過の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
ふとお嬢さんの眉《まゆ》の美しかったことを思い出した。
爾来《じらい》七八年を
経過した今日、その時の海の静かさだけは妙に鮮《あざや》かに覚えている。保吉はこう....
「女」より 著者:芥川竜之介
たった一匹|兀々《こつこつ》と、物思いに沈んでいるばかりであった。
何週間かは
経過した。
その間に蜘蛛の嚢の中では、無数の卵に眠っていた、新らしい生命が眼を....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
の話を聴かせたのは、始めて秋山図を見た時から、すでに五十年近い星霜《せいそう》を
経過した後《のち》だったのです。その時は元宰《げんさい》先生も、とうに物故《ぶっ....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
乾かしてしまいました。
閣下、私の二重人格が私に現れた、今日《こんにち》までの
経過は、大体右のようなものでございます。私は、それを、妻と私との間の秘密として、....
「或る女」より 著者:有島武郎
あたた》めて塩で味をつけている間も、だんだん起き出て来る看護婦たちに貞世の昨夜の
経過を誇りがに話して聞かせた。病室に帰って見ると、愛子がすでに目ざめた貞世に朝じ....
「片信」より 著者:有島武郎
、そこに全力を尽くそうとするだろうというまでだ。そういう覚悟を取ることがかえって
経過の純粋性を保ち、事件の推移の自然を助けるだろうと信ずるのだ。かかる態度が直接....
「親子」より 著者:有島武郎
なかった手だぞと思うらしく、ふと行き詰まって思案顔をする瞬間もあった。 「事業の
経過はだいたい得心が行きました。そこでと」 父は開墾を委託する時に矢部と取り交....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
てこの北方民族のそれに匹敵するものは一つもないであろう。 以上私は、自然現象の
経過に関する知識を得るために直接観察の方法を講じるというようなことは何もしなかっ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
得なくなったのであります。 ところが第一次欧州戦争勃発の一九一四年から二十数年
経過しております。今日から二十数年、まあ三十年内外で次の決戦戦争、即ち最終戦争の....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
いては浅からん縁がありますけれども、実は遠慮をして差控えていたのでがす。しかし、
経過が、どうか。容体が、どうか。気になって、どうも心配でなりません、ところが、幸....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
か、小林区署のお役人と四人で白馬を登っていた。如何にも妙な話だが、そこまでの時の
経過を忘れてしまったのである。Mさんは最初の登山というので元気がよかった。お役人....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
う思うと、星を合せていられなくなって、フレンチの方で目をそらした。 短い沈黙を
経過する。儀式は皆済む。もう刑の執行より外は残っていない。 死である。 この....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
とうれしくてたまらなかった。同大会は松岡駒吉氏が大会議長をつとめ、水谷長三郎氏が
経過報告をやり、党名を「日本社会党」と決め、委員長欠員のまま初代書記長に片山哲氏....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
然に支配せらるる事多く奇効を奏するに便なり。 第二線決戦主義 一、将帥は会戦
経過を見て決戦の方針を決定す。 二、極めて有力なる予備隊を設く。 三、最後の衝撃....
「色盲検査表の話」より 著者:石原忍
費用とを要しますので、しばらくの間そのままになっていました。 その後五、六年を
経過して大正四年となりました。その頃私は陸軍軍医学校に勤務いたしておったのですが....