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経験主義
「経験主義〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
経験主義の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
るだろう。与えられた事実を無条件に「認識」して、そこから出発しようとする論理は、
経験主義とか現実主義とか呼ばれているのだが、それが取りも直さず日和見主義そのもの....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
。 氏の認識論の根底は radical empiricism である。厳粛なる
経験主義である。近世哲学の底を貫流する根調である経験的傾向を究極まで徹底せしめて....
「問に答えて」より 著者:宮本百合子
めて行かなかったのかという疑問が起るのであるが、私はここにリアリズムというものが
経験主義でもなし、日常|瑣末《さまつ》な写実主義でもないという証明があると思う。....
「バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
うに高められ得るかという、発展の可能性は見出し得なかった。だから、彼は飽くまでも
経験主義者らしく、また百姓バルザの野心大なる孫息子らしい富農的現実性で、プロレタ....
「窪川稲子のこと」より 著者:宮本百合子
ら勤労者の生活を経験したという、そういう出生だけをふりかざして安心してもいない。
経験主義者の持つ安易な評価は、自分自身に対してもひとに対しても抱いていないのであ....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
っていなかった。何故人間の肉慾をも描くかという、以前における近代精神の問題は狭い
経験主義の光りの下では、対象を扱いきれなかった。 漱石の「草枕」は、当時自然主....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
美的倫理的な疑うべからざる直覚の権威を、人間の心一般の問題にまで徹底させるべく、
経験主義に対立したのだということに間違いはない。だがリードは決して大陸のラショナ....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
て何等の哲学(所謂形而上学)も必要でないと考えられた。この考え方は実証主義(之は
経験主義・機械論・科学主義・等々となる)によって総括されるが、この実証主義それ自....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
。物理的空間へ行くために、空間知覚とか空間感覚とかいうこのような心理学的・単純に
経験主義的・な概念を手懸りに出来ないのは、当然である。物理的空間は物質的・客観的....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
って邪魔でしかなかったわけだ。 カントの批判主義が、大陸の合理主義とイギリスの
経験主義との一種の結合としての認識論にその中心を有つことは広く知られている。それ....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
ければ出来上らないものであるらしく見える。だが、現実に秩序を与える理性の文学や、
経験主義を消滅せしめた超自然主義的な純粋意識の文学(この現象学的・マッハ主義文学....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
を求める必然は健全ですが、平凡な市民の日常的限界が作品の限界となりやすくそこに又
経験主義的な危険がかくされている。婦人作家の昨今の暮しぶりもいろいろに分化して来....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
も本当であるし、それ故に恋愛や夫婦の情合の生活に於ては、そうでない筈の人々も実に
経験主義ですね。寧《むし》ろ、そうである権利のようなものを肯定し且つ主張さえする....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
しょうが、今度の対手は、性質のちがう人々だったので気合いが通らず。ああいう人々の
経験主義が露骨に出ている。
ひさ、追々かえる時が近づくので、代りにたのんであっ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
たまに政治的であった男は、又人物の浮薄さを、後々に到って露呈したりして、なおその
経験主義の偏見をかためてしまっています。 ここいらのこともいろいろ将来の興味あ....