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「結び玉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

結び玉の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
先を見透すのさえ大なる努力を要する、外套のおもてには、雨が糸筋を引いていい加減に結び玉を拵えては、急にポロポロと転び落ちる、それが人間よりは、生命のある原子のよ....
カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
私達を吃驚さした事には、後へ廻された両の手首は丈夫な麻縄で堅く縛られ、すっこきの結び玉から何にかへくくり付けた様に飛び出している綱の続きは、一|呎程の処で荒々し....
風流仏」より 著者:幸田露伴
一筋心に君さま大事と、時を憚り世を忍ぶ男を隠匿し半年あまり、苦労の中にも助る神の結び玉いし縁なれや嬉しき情の胤を宿して帯の祝い芽出度舒びし眉間に忽ち皺の浪立て騒....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
くれのうりざね顔で目は大きすぎるほどぱっちりとして髪を二つに割って両耳のところで結び玉をこさえている。元禄袖のセルに海老茶のはかまをはき、一生懸命にゴムほおずき....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
、ひらひら、と、ものの現のように、いま生れたらしい蜻蛉が、群青の絹糸に、薄浅葱の結び玉を目にして、綾の白銀の羅を翼に縫い、ひらひら、と流の方へ、葉うつりを低くし....
浅草紙」より 著者:寺田寅彦
かと思ったりした。 紙片の外にまださまざまの物の破片がくっついていた。木綿糸の結び玉や、毛髪や動物の毛らしいものや、ボール紙のかけらや、鉛筆の削り屑、マッチ箱....
柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
。 「それ引っ張るぜ、どうだどうだ」 グイと引いたのが自ずと解けて、手拭いには結び玉が出来なかった。 「小手調べはこれで済んだ。お次は本芸の水術だ。……ここに....
魔都」より 著者:久生十蘭
るためではなくて、死体を運び出すために頸へ掛けたのだ。絞殺すのにあんな手の混んだ結び玉を作る暇はないだろうじゃないか。また索溝の具合を見ると、顎の下から斜上に耳....