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結核菌
「結核菌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
結核菌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「兄たち」より 著者:太宰治
います。
この兄は、なくなる二、三年まえから、もう寝たり起きたりでありました。
結核菌が、からだのあちこちを虫食いはじめていたのでした。それでも、ずいぶん元気で....
「癩」より 著者:島木健作
と床につきっきりであった。梅雨が上って烈しい夏が来てからは、高熱が長くつづいて、
結核菌が血潮のなかに流れ込む音さえ聞えるような気がした。それと同時に彼はよく下痢....
「振動魔」より 著者:海野十三
状は第三期に近く右肺の第一葉をすっかり蝕まれ、その下部にある第二葉の半分ばかりを
結核菌に喰いあらされているところだったので、若しもう一と月、博士の門をくぐるのが....
「赤外線男」より 著者:海野十三
ゃない。左眼が潰れたために、残る一眼が急に機能が鋭くなったんだ。左右の肺の一つが
結核菌に侵されて駄目になると、のこりの一方の肺が代償として急に強くなり、一つで二....
「海底都市」より 著者:海野十三
だらけのらんぐい歯を見せさせたり、肺門《はいもん》のあたりにうようようごめている
結核菌《けっかくきん》を拡大して見せさせたり、精神力の衰弱状態を映写幕の上に波形....
「『健康会議』創作選評」より 著者:宮本百合子
るのは一つもない。人類の社会が、より健康に、より少い悲惨をもって営まれるために、
結核菌はどのような方向で征服されてゆかなければならないかということが、すべての作....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
、その他の何ものではないというのだから、なるほどそうには違いないだろう。肺結核は
結核菌の責任であって、他の何物の責任でもないと同じに。 それはそうとして、東北....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
い。其でもそちらの待つ間にこの頃は本をよむようになり、細菌物語も終りました。余り
結核菌についてあっさりかいてあるので目白の先生に話したら、衛生学者だからの由。弘....
「生あらば」より 著者:豊島与志雄
とは分りませんが。唯少し腹部と便の加減がおかしいと思ったことがあったのです。腸が
結核菌に冒されるとあの衰弱した身体には余程困難ですから、それを恐れたのです。然し....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
もしてみたい。ペニシリンだって、青黴の一種から発見されたのだ。どんな草根木から、
結核菌に対する的確な薬剤が発見されるか、分ったものではない……。 そういう話に....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
年一月一日『東京朝日新聞』) 五十九 結核病と食物
結核菌を接種した動物に種々の食物を与えて病の経過を試験した結果によると、脂肪分を....
「道」より 著者:織田作之助
さらわれてしまう。毛穴から火が吹きだすほどの熱、ぬらぬらしたリパード質に包まれた
結核菌がアルコール漬の三月仔のような不気味な恰好で肝臓のなかに蠢いているだろう音....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
種の疾病を生み出しました。それは申すまでもなく肺結核であります。肺結核なるものは
結核菌のみでは生じ難く、人間の体質が、
結核菌の繁殖に都合よくなったときに発生する....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
早熟な動物的本能のようなものを感じさせて多可子を不快にした。多可子は結核の子供は
結核菌の毒素の刺戟で早熟になるということは何かで読んだことがあった。それを眼のあ....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
た肺病薬が発売されたりしたので、内務省衛生医局で実験をしてみたところ、結局石油に
結核菌を殺す力は無く、むしろ人体に有害であると分り、その肺病薬は発売禁止になった....