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給金
「給金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
給金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仙人」より 著者:芥川竜之介
有《ありがと》うございます。」
「その代り向う二十年の間は、一文《いちもん》も御
給金はやらないからね。」
「はい。はい。承知いたしました。」
それから権助は二....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
名前ばかりではない。少尉級か中尉級かも知らなかった。ただ彼の知っているのは月々の
給金《きゅうきん》を貰う時に、この人の手を経《へ》ると云うことだけだった。もう一....
「星座」より 著者:有島武郎
、枕につくたびごとに、家恋しさと口惜しさのために忍び泣きで通した半年ほど。貰った
給金は残らず家の方に仕送って家からたまに届けてよこす衣類といっては、とても小樽で....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
方の金主《きんす》は渠《かれ》を争いて、ついに例《ためし》なき莫大《ばくだい》の
給金を払うに到《いた》れり。 渠は親もあらず、同胞《はらから》もあらず、情夫《....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
になりましたアーマスト大学の教頭シーリー先生がいった言葉に「この学校で払うだけの
給金を払えば学者を得ることはいくらでも得られる。地質学を研究する人、動物学を研究....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
でよかろうがね。」 「勿体ないくらい、結構だな。」 「そのくらいなら……私が働く
給金でして進ぜるだ。」 「ほんとかい。」 「それだがね、旦那さん。」 「御覧、そ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
おおせる。棄て置けば狐狸の棲処、さもないまでも乞食の宿、焚火の火|沙汰も不用心、
給金出しても人は住まず、持余しものになるのを見済まし、立腐れの柱を根こぎに、瓦屋....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
たりと附着いて、横向きに立っていたのは、俊吉の世帯に年増の女中で。 二月ばかり
給金の借のあるのが、同じく三月ほど滞った、差配で借りた屋号の黒い提灯を袖に引着け....
「赤いくつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
そして、なまけずにいっしょうけんめい、はたらけるだけはたらきますといいました。お
給金などはいただこうとおもいません。ただ、心のただしい人びととひとつ屋根の下でく....
「端午節」より 著者:井上紅梅
につらい話だ。わたしは午後|厚釜しく金永生を訪ねてしばらく話をした、彼はわたしが
給金を請求せぬことや、直接受領せぬことを非常な清高な行いとして賞讃したが、わたし....
「鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
知して使ってみるとなかなかよく働く。名は新吉という。何分にも目見得中の奉公人で、
給金もまだ本当に取りきめていない位であるから、その身許などを詮議している暇もなか....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
の女を雇った。山査子の咲く古い借家に。 五人は生活費を分担して居た。従って女の
給金も頭分けにして払った。それと関係なしに山査子の花は梅の形に咲く。 平凡な雇....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
買物、近親交友間の消息、来客の用談世間咄、出入商人職人等の近事、奉公人の移り換、
給金の前渡しや貸越や、慶庵や請人の不埒、鼠が天井で騒ぐ困り咄、隣りの猫に※を取ら....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
。割じゃろがい。はっはっはっ。) 泥足を捏ねながら、肩を揺って、大きに御機嫌。
給金の談判でした。ずんずん通り抜けて、寺内へ入ると、正面がずッと高縁で、障子が閉....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
。」 「聞いてみましょうか。……私もちっと持っている。」 「串戯じゃあない。まだ
給金も受取らないし、手が出せないと極りが悪いや。」 「八さんは、それだから可厭さ....