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絵姿
「絵姿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
絵姿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みちのく」より 著者:岡本かの子
車」 「これなんだね」 「お勤め人、洋服を着て鞄《かばん》持って」 四郎はその
絵姿をつくづく眺めていたが、やがて言った。 「おら、もうじき洋服を着るだよ」 ....
「心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
が破れて、彼の仲間の一人が召捕られた。長崎の奉行所からは早飛脚《はやびきゃく》に
絵姿を持たして、彼の召捕り方を大坂の奉行所へ依頼して来た。 そんなことを夢にも....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
掛けずに去って了った。後は深山の様に静かで、爾して真の暗闇である。
第五十八回
絵姿の眼
余は実に痛い目に遭った、真暗な一室へ閉じ籠められ、今は如何ともする....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
下の婦人は、いずれも恥辱を蒙るようで、かねて不快に堪えんのだ。 昔の国守大名が
絵姿で捜せば知らず、そんな御註文に応ずるのが、ええ、河野、どこにだってあるものか....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
が面体を後のかたみに残さんと、さきにその方を召し出し、頼家に似せたる面を作れと、
絵姿までも遣わしておいたるに、日を経るも出来せず、幾たびか延引を申し立てて、今ま....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
しくなった。 町々では厄払いの道場を設けて、三昼夜の祈祷をおこない、その怪物の
絵姿をかいて神社の前で磔刑にした。 世の怪談にはこの類が少なくない。 術....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
、お綾も同断。その代り寂い途中、立向うても見送っても、その男を目に留めて、これを
絵姿にして、斬る、突く、胸を刺す。……血を彩って、日を経ると、きっとそのものは生....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
あるいはそのままに保存してあるか、そのゆくえは判らない。しかしかの尼が地蔵さまの
絵姿をたくさん持っていたのから割り出して、僕の父はこういう解釈をくだしていた。 ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
から持ち出して、宿直へ持って行ったことがあった。 扉の美しい女学生「たまき」の
絵姿をめくると、田辺先生は冒頭を一寸読んだ。 「あら、よくってよ。私知らないわ。....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
かれは江の島の宿まで執念ぶかく追って来たのである。その話によると、自分の恥かしい
絵姿が江戸のうちの何処にか残っていると思うと、どうしても江戸にはいたたまれないの....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
かいをしたのを呑込んだらしい口振だ、と思うと果せるかな、盆に、一銚子、で、雪代が
絵姿のように、薄面影を暗い茶の間から、ほんのりと顕われて、 「先生、あの、ちょっ....
「不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
目に紹介される日本の社会であることを知っておくと、西洋諸国の各地に徘徊する幽霊の
絵姿など、それを齎らすのは何でも無かったが、その方は生憎今|遺憾だ。 この話の....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
。品のいい静かな婦人です。一燈園の二階の婦人の室には大小をはさんだりっぱな武士の
絵姿を軸物にして懸けてあります。これは勝淳さんの祖父の肖像だそうです。私が一燈園....
「画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
リックの物語で、同雑誌記者の附記する所によれば、彼の画工の筆に成った恐しき婦人の
絵姿は此のほど全く出来したが、何さま一種云われぬ物凄い恐しい顔である、婦人の如き....
「公園の花と毒蛾」より 著者:小川未明
らゆらと浮き出したように照らされているのが、ちょうど艶麗な女が、幾人も立っている
絵姿を見るような気がしました。そして、なかには、朽ちかかった花びらがあって、だら....